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課題発見や上司への指摘も自然にできちゃう会議テクニックとは?


こんにちは! 今日は10年前から実践してる会議運営のノウハウをご紹介します。 参加者の心理的安全性を確保しながら「潜在的な課題や上司への指摘などもポジティブに洗い出しできる」ミーティング技法です。問題点の指摘などネガティブな発言はやりにくい空気になりがちです。どうやって実現するのでしょうか?  



ありたい姿を定義してから裏返す

ビジョン・リバース(仮)とは、チームや組織が理想の未来像(ありたい姿)を描いたあとに、それを裏返して現状の課題や問題点を明確にすることです。直接問題点や違和感などを発言するのではなく、ありたい姿を裏返すことにより、間接的に問題点を浮き彫りにするやり方です。名前はこの記事を書くためにとりあえず命名しました(笑)

効果・メリット

この会議テクニックはには以下の効果があります。

  • 心理的安全性の向上: ありたい姿を吐き出し、ポジティブなビジョンを共有するだけです。批判や否定はないので安心して意見を言いやすくなります。

  • 建設的な議論の促進: 課題を見つけようとすると、誰かの業務やスタンスを批判することになりかねません。上下関係がある組織では指摘しにくいこともあるでしょう。このやり方は未来の理想の姿を決めるミーティングなので、同じポジティブなゴールにむけて建設的な議論になります。

  • チームの一体感の向上: ありたい姿を作り上げたあとは、みんなで同じ目標に向かうことで、一体感が生まれます。

  • 課題解決の迅速化: 潜在的な課題を早く発見し、具体的なアクションを取ることで、早期解決が可能になります。


ありたい姿を裏返すと潜在課題になる

上記の表の左側の有りたい姿は「変革の時代における会議運営の有りたい姿とは?」というテーマでチームが選んだキーワードになります。
「全員発言する」はありたい姿ですが、その裏返しである「一部の人しか発言しない」という現状が垣間見れます。これは上司など会議進行役が発言できない雰囲気を作っているのかもしれません。

 「会議の目的やゴールが明確」なのがありたい姿ですが、その裏返しである「目的やゴールが曖昧でわかりにくいかも」という現状が推察されます。
こちらも会議進行やプロセス、会議体の存在意義そのものを間接的に批判しているのではと捉えることもできます。

 このように、ありたい姿ではポジティブに発言して、それが合意されたあとに、課題を振り返ることで問題点をあぶり出すことにつながるのです。

ここで注意が1つ。潜在課題について洗い出すと、いやそれは違うといって、批判的になってはいけません。チームの創意として有りたい姿が選ばれている事実を認識しましょう。  あくまでも目的はありたい姿を実現することです。 裏返しは潜在的な課題を見つけるヒントです。

ネガティブ(裏返し)を解決するのか、ポジティブ(有りたい姿)を実現するためにアクションするのか。どちらもアクションするのは変わりません。
同じアクションするなら、ポジティブなテーマでアクションするのが、チームにとっては心理的にも心地よいとは思います。

会議の進め方

ステップ1   会議テーマ設定

チームや組織の理想像を描くので「XXの有りたい姿とは?」と設定します。

ステップ2: ありたい姿の共有

  • まずはみんなで集まって、未来にこうなりたい!って理想の姿をお互いにシェアします。ポジティブな気持ちで、自由に意見を出していきます。

  • 理想の姿を洗い出すことでポジティブに議論することが可能です。

ステップ3: 重要ワードの選択

  • みんなの付箋紙をまとめて、チームとしての大切な単語やフレーズを5−8個程度選びます。

ステップ4 単語を使ってありたい姿の作文

  • ありたい姿はビジョンやゴールになります。

ステップ5  ビジョンの裏返しによる課題抽出

  • ここがポイントです。選択されたキーワードやフレーズの逆の意味を考えます。これがチームの潜在課題になります。


Step1-4を効率よく進行する会議メソッドがあります。ありたい姿を50分で合意形成して潜在的課題を洗い出す会議手法です。


適用シーン

  1. 戦略策定会議

    • 新しい戦略を考えるときに使うと、みんなの意見をまとめやすく、実行可能な戦略が立てられます。

  2. プロジェクトキックオフ

    • 新しいプロジェクトを始めるときに、チーム全員で目指すべき目標を共有して、成功への具体的な計画を立てるのに役立ちます。

  3. 定期的なフィードバックセッション

    • プロジェクトや業務の進捗を定期的に振り返り、目指すべき姿と現状のギャップを確認して改善策を講じるのに有効です。

  4. 組織の変革プロセス

    • 組織改革の際に、ポジティブな未来像を共有し、必要な変革を具体的に進めるために利用できます。

会議テーマ例

  1. 新規事業開発

    • 「5年後にシェア30%を達成するためには新規事業のありたい姿とは」

  2. デジタルトランスフォーメーション

    • 「デジタル化で業務効率と生産性があがるありたい姿とは?」

  3. ダイバーシティ&インクルージョン

    • 「多様性を尊重し、全社員が活躍できる職場環境のありたい姿とは?」

  4. サステナビリティ

    • 「環境に優しい持続可能なビジネスモデルのありたい姿とは?」


おわりに

ありたい姿を洗い出し、反対のワードを抽出する「ビジョンリバース」は、チームや組織が共通のビジョンを持ち、ポジティブな議論を通じて現状の課題を明確にし、具体的なアクションプランを立てるためのとっても有効な手法です。心理的安全性を確保しつつ、全員が率直に意見を述べられるこのアプローチ、いろんなシーンで使えて、成果も期待できるのでぜひ試してみてください!


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