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武術トレーナー流「セルフケア」

はじめまして、武術トレーナーのヨウです。

太極拳のインストラクターでレッスンをしながら、武術の身体の使い方をベースとしたセルフケアをお伝えするパーソナルセッションをしています。
今回、思い立ってnoteを始めてみました。

20代中頃、スポーツジムのインストラクターだった私は
ひょんなことからダンスの舞台にご縁をきっかけに、
30歳でアクロバットに挑戦しました。
なんでそうなりますかね(笑)

毎回、自分でツッコミたくなるのですが、
そのおかげで舞台でのお芝居やアクションに始まり、
イベントのパフォーマンス
ゲームのモーションキャプチャー
CMなどそれまで想像もできなかった
業界の仕事を経験することができました。

当時、まさか自分が舞台で演技をしたり、
ゲームのCGを作る仕事に関わるなんて
夢にも思いませんでした。
しかしそれも、今考えれば大事な人生の転機でした。

1.今までの成果

まずはこちらをご覧ください。

これはTricking(トリッキング)
というアクロバットの代名詞
コークスクリューという技です。

片足振り上げの宙返り1回ひねりです。
この時、35歳くらいでしょうか。

体操の経験者というわけでもなく、
むしろはじめは癖だらけで
動作の基礎から修正が必要でした。

宙返りに必要な背中や足の
柔軟性が足りないなどなど。。。
非常に苦労しました。(^^;;

身体にかかる負荷も高く、怪我のリスクも多い。
Trickingは若い子が多いのですが
それでも膝や足首、腰などの怪我が絶えません。

そんな中、大きな怪我もなく
こんな技までできるようになったのは
セルフケアを続けていたおかげだと確信しています。

唐突ですが皆さんは普段、身体のケアをしてますか?

家にケアアイテムをお持ちの方、
整体やエステ、マッサージなどに
通われる方もいらっしゃると思います。

皆さんのイメージは様々かと思いますが、
今回は
武術トレーナーの考えるセルフケア
についてまとめたいと思います。

2.セルフケアって?

まずはセルフケアという言葉についてお話します。

「ケア」は簡単に例をまとめると、
衣服の管理から肌のお手入れ、
メンテナンス
、広くは気配り配慮など
といった意味で使われます。

そして、
ケアの対象はもちろん皆さんの
「身体(からだ)」です。

身体という表現には「心と体」
という意味が含まれます。

ちょうど、ケアの定義として
心と体の両方の意味合いが含まれていますね。
心と体が繋がっているというのは
特に異論がないはず、という認識で
今回は掘り下げずに行きますが、
身体(心身)の調整、メンテナンスという
ニュアンスで捕らえてみてください。

次にケアの内容ですが、
筋トレ、ストレッチ、マッサージ、
あらゆる身体の調整になることを含みます。

例えば筋トレ(筋コンディショニング)は
姿勢の改善の為のバランス調整になりますし、
ストレッチは柔軟性向上による怪我の予防、
疲労の軽減など、様々な目的と効果があるからです。

これを自分でやるという事なのですが、
はじめにお伝えしておきますと、
外部のサービスに行くな頼るなという話ではありません。

行くときはさらに効率よく、
結果お金のかからない方法になる
考え方だといっても過言ではありません。

これに関して言えば、ポイントは
「自立」であり「自律」です。

いかにいいサービスでも、
受けられなくなったら自分の身体が
保てないのではお話になりません。

そして、個人差はありますが、
ご自分の身体をことを少しでも
ご自分で考えられる人を増やす
というのが武術トレーナーとしての
ミッションでもあります。

3.攻撃は最大の防御なり

次に、そのセルフケアを
どんな考えに沿って行うか。
基本的に「攻めて」いきます。
なんのこっちゃ(苦笑)。

ですが、このように考えます。

今までの経験上、多くの方がケアと聞くと
「疲れたから」とか
「痛くなった」から「なおす」
ためにやるというのが非常に多いです。

マイナスからゼロに戻そうということですね。
もちろん酷使して痛くなったりしたら
即ケアして欲しいのですが、

その時点ですでに後手になっている
ことに目を向けてみてください。

少し嫌な言い方をすると、そもそも
皆さんの思っているゼロ地点は
本来の機能から見ると多くの方が
「マイナス」
です。

それは
「何も不調が起きていないだけ」
であって、
いい状態がどんなものか分かってないからです。

だから不調が出てきたときにしか
ケアできない、と言ってもいいでしょう。
なので、そうならないように
攻める=予防するということなんです。

ただ、ケアをしよう!ということではなく、
もとからある自分の身体の仕組みに
意識を向けようということです。

4.私が選んだ武術という「ツール」

私は身体の使い方の目安として
筋トレやストレッチでも
ヨガやピラティスでもなく
「武術」というものを選びました。

武術と聞いて、「あぁ、中国武術?」
なんて答えられる方はほとんどいません。

私は空手と太極拳の経験があるので
周りに知人は多いのですが
空手や中国武術に限らず
広く身体の使い方として「武術」としておきます。

もとは「たたかう為のツール」です。
実際に何かの武術をやるわけではないのですが、
その身体の使い方から発想を得る、ということです。

ではなぜ武術かということなのですが
理由をお伝えすると

「武術は極めて汎用性が高い」
のです。

武術にはたたかうツールですが、
護身術としての側面があります。

非力な人が身を守る
ということは単なるスキルの他に
「人の身体の作りを理解している」
という大前提があります。

もちろん、これが闘いで使われる際に
とても強い力を発揮するのですが、
動作が攻撃でも防御でもなく
「日常生活」でも同じことなのです。

例えば、スポーツで何かの動作の
パフォーマンスアップの為に
筋トレやストレッチをしますよね?

でも、運動をしてない時は
その身体の使い方はしないわけです。

では、みなさんは
日常動作の為のトレーニングって
したことがありますか?


多くの方の答えがNOのはず。

でもどうせやるなら
確認動作も日常で使えるものが
効率がいいと思いませんか?

そうなんです。
武術は日常動作で鍛錬ができるんです。

たたかう為のツールであり
人の身体の仕組みを考え
いかに効率よく力を発揮するかが目的です。

それは体を動かすということにおいて
日常動作にも同じ事が言えます。

むしろ、トレーニングしている時にも
臨戦体制でいられるように、わざわざ
トレーニングの時間、というのを多く取らず
日常動作まで落とし込んで鍛錬をするのです。

わかりやすいのが股関節の使い方です。
立つ、しゃがむ、歩く、
すべてに使われますが、
実際の使い方のポイント、重心の移動の
仕方が分かればそれだけで動作が楽になる上に、
何もしていない時よりも力が出ます。

つまり、これが分かれば
トレーニングを時短できる上に
無理無駄が減るので結果的に
かなりの効率アップになります。

この考えで日常動作に置き換え、
無理なく無駄を減らして
「動ける身体づくり」をしよう
ということなのです。

痛くならないようにケアして使う、
先ほどの攻めるイメージにもつながっていきます。


5.西洋と東洋のバランス


また、ここでお話しする
「武術の身体の使い方」というのは
単に筋力の使い方ではありません

表現が難しいのですが
正しい使い方は動作それ自体が
負担なく楽にできることでもあります。

これは筋トレでは養えない
「力を入れないトレーニング」
必要になってきます。

パンチするのに腕の力を使わない、という感覚です。
は?何を言ってるんだコイツ?
と思われるかも知れませんが、
そのあたりが武術の面白さでもあります。
「発揮される力=筋力」ではない ということです。

力を抜くというのが大事だというのはなんとなくわかるけど。。。
実際にはできたら苦労してませんよね。
そう、いきなりは無理です。

本来、武術には「型」があり
その中に「技」が含まれています。

人の身体の仕組みに乗っ取って
「力が出る形を内包している」のです。

日本にも着物の文化や様々な「作法」の中に
身体の使い方とそのワケが含まれていますが、

それを今から、しかも一から始めるとして
いったい何をすればいいのか分かりませんよね?
オススメは太極拳ですが(笑)

それでも、ケアに着手するまでに
習い事を一つ増やしていては
とてつもない時間が必要になります。

それではキリがありませんので
武術の体の使い方から学ぶのではなく
部分的に要素を切り取って活用していきます。

その為に、皆さんのよく知っているトレーニングを使います。
動作の習得に合わせてシンプルなものを選び、
そこに武術の要素を足していきます。

例えば筋トレ(筋コンディショニング)は
基本的に単一の反復動作で
使う筋肉に集中して使い動作を覚え、
姿勢の改善やパフォーマンスアップを
目的として行います。

それだけ、シンプルにできています。

先ほど例に挙げた股関節、
これを筋トレではなく
武術トレーニングにするとどうなるかというと、
スクワット動作で、腿の前側(大腿四頭筋)を
使わないように反復する

といった感じになります。
これが分かると、応用で駅の階段を上っても
腿が疲れなくなりますが。。。ピンとこないですよね。

分かりやすい例になればいいのですが
みなさんは駅の階段を登ったあと
ふと腿がキツくなったりしませんか?

でも、山登りの時やハイキングで
傾斜をのぼりはじめてすぐに、
同じような症状になりますか?
なりませんよね?
体の使い方が違うからなんです。

荷物を背負って、傾斜を登る時
後ろに倒れるのが危ないですから
ある程度前傾姿勢を取ります。

このおかげで、きちんと股関節が曲がり
膝のブレが少なくなることで
腿の前側の筋肉が無駄に働くことを
防ぐことができているからなんです。

腿の筋肉を使うことは大事ですが、
四六時中使っているとロスが大きいです。

なぜなら腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)の
主な役目は「ブレーキ」だからです。

自転車や車なら、イメージは伝わるはずです。
ブレーキを踏みながらペダルを漕いだり
アクセルを踏んだり。。。
無駄が多いのがわかりますよね?

腿の使い方が悪い方は、足のバランスも悪く
きれいなラインが出ません。
結局トレーニングをする時にも
回数や強度以前に動作で苦労します。

そのためシンプルな動作で確認をしながら、
身体の仕組みを少しづつ理解していくことが
一番効率が良いですし、何よりそれを
自分で確認できるようになるというメリットがあります。

まだまだこれだけでは武術的なメソッドの良さは
伝わらないかも知れませんが、
武術トレーナーのセルフケアは

西洋のトレーニング理論と
東洋の武術を使って身体を整える
「人の身体の仕組み」を学ぶセルフケアといったところです。

できるだけシンプルなワークを通して
感覚のトレーニングをすることで

身体を自分で調整できる
=自律できる身体を目指します。



6.あとは体現あるのみ


インストラクター全盛期には6~8社で
のべ60店舗以上のスタジオでレッスンをしてきました。
その中でもケアのクラスはオリジナルで
1つとして外すことなく人気を得てきました。

今はパフォーマンスと練習のために
だいぶ数を減らしてきましたが
一応、メインの契約クラブでは
時給換算で約8,000円を超える
最高ランクを持っていますが、実はそれも
この武術ケアの考え方のおかげです。

しかし令和に入りコロナ禍を迎え
レッスンをする環境が減ってきている上に
これからお客様とお会いする機会が
減っていく可能性も出てきました。

これを機に今までの知識と経験を棚卸して、
さらに先につなげていくために
アウトプットを続けていこうと思います。

また自分のパフォーマーとしての質も
この武術トレーニングでさらに
レベルアップすることで証明したいと思います。

今後もSNSやYouTubeで
その結果の報告ができるよう
精進して参ります。

最後までご覧下さりありがとうございました。
拳礼。( ^^)/@

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