トリセツ!体調マークのハナシ
就労継続支援ビルドで展開しているトリセツ!プロジェクト。
障害のある当事者が発信する、自分で使いたいものを企画開発するプロジェクトです。
現在、感覚過敏や困りごとをわかりやすく伝えられることができるトリセツ!缶バッジ・ステッカーセットを販売中です。
カバンや小物、ヘルプマークなどに着けてお使いいただく用途ですが、ビルドではネームホルダーに着けることが多いですね。
ここから発展して、利用者さんから「こんなものが欲しい!」が生まれました。
2点のうち、コミュニケーション練習帳についてはこちら
事業所や障害者雇用で働いているときに毎回体調を聞かれたりお答えするのが心苦しいので、ぱっと見でわかるマークのようなものを作りたい。
このたび、ビルド内で試用するために試作品が完成しました!(拍手)
こちらを企画立案してくれたホナミさん(仮名)によるとモチーフは猿。「自閉症の猿がいると知ったので、モチーフにしてみました」とのこと。
まずはビルド内の数人で試用してみて、ブラッシュアップしてから販売に向けて動いていきたいと考えています。
ホナミさんは、体調が元気なときのほかに、気持ちがつらいけれど話しかけてほしいときや、一人にしてほしいとき、身体がつらすぎるときなど、複雑な状況が多々あるそうです。
しんどいときには、それらを自分で伝えることも大変ということで、自分が使いたいグッズを作ってくれました。
この企画・制作の一連の流れの中でホナミさんは
商用利用可のフリーフォントを使うことを新しく覚えました。
グループチャットや打ち合わせで、自分がどんなポイントに重点を置いてデザインを改良したのかを、第三者にわかりやすく伝えるという経験をしました。
データの作り方…当初は、改良→さらに改良→修正だったデータ名が、○○_日付というわかりやすいものになったり、フリーフォントを使ったaiデータの文字化け対策としてjpgでデータを送るようになったり、実に様々なことが実務レベルにアップデートされました。
グラフィックデザインの練習中なので、練習で覚えたスキル…パス上文字とか…もどんどん取り入れて、デザインは随時アップデートされていきました。
視認性について考えたり、伝えたいことと色の与える印象の違いに悩まされたり、やればやるほど改良したくなる底なし沼を経験しました。
合間に他の企画参加があったり定例ミーティングが休止されたりしたら、自主的に作業を再開するきっかけを見失ったり……と紆余曲折を経て、2か月近い時を要しましたが、無事に完成したのです。
ラインナップは
○元気
○ぼちぼち
○つらい(気持ち)
○つらい(からだ)
○優れない(気持ち・からだ)
その日の気分に合わせて選択できる5点セットです。
「聞かれるまで、自分がどんな体調か考えないんです」というお話をしばしば耳にします。
絶好調!の日って、障害の有無関係なくほぼ無いわけで、なにかしらの不調がある中でなんとか働いているんですよね。
そんな中、なんとか1日やりすごせそうな日とバリバリできそうな日、マークを選ぶ過程で、自分が今日どんな状態かな?とセルフモニタリングするきっかけにもなりそうです。
もしよければ、販売に向けて”こんな風にしたらいいと思う。こんなものが欲しい!”といった要望も聞かせていただけると嬉しいです。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。