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勝負するフィールドはドコだ?のハナシ

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。
2022/2/14~ローソンのマチカフェで使っているカップに、PICFAさんのデザインが使われているそうです。

マチカフェホットドリンクカップの写真
残念ながらビルドの近所のローソンのカップはノーマルでした

個人的には、マチカフェのかわいいカップを見るたびにイラストレーターコラボいいな~。アールブリュットと相性いいけど、いずれやらないのかなあ?と思っていたので「ほらね!」という気持ちでした。
一方で、アールブリュットっていいな~。「障がい者アート」わかりやすいな~と思ったのも事実です。

2019年12月に開設したビルド、アーティストとして活動したいです!と見学に来られる方もいらっしゃるのですが、利用に至らないことが多いです。
取り組んでいる業務が商業デザインメインで、
イラストもパッケージデザインとか

漁網タオルの写真。漁師が背中を流している墨絵風のイラスト
男磨き漁網ボディタオル

イラスト素材販売とか

ヘルプマークを付けた女性のイラストを使用したバナー
PIXTAで販売中のイラストの使用例

似顔絵とか…

YouTube画面のキャプチャー
似顔絵のみ、アイコン用、名刺など…

と説明しているうちに、「なんか違うな」となってしまうようです。
アーティスト活動の応援!したいのですけど。
実際、ハンドメイドイベントに参加したりもしていて、スタッフがそれぞれ個人的に展示活動や制作活動に取り組んでおり、ものづくり系大好きな人たちで運営しているのですけど。

アールブリュットネットワークのような活動の仲間に、なかなか入れないのです……。

それは、作業内容やその結果を提示することへの事業所としての苦手が影響しています。

以下の記事で説明されている「報酬遅延の障害」の説明がとってもわかりやすいです。

ビルドには、発達障害の特徴をお持ちの利用者さんがたくさん通所されています。その他の診断の場合も背景に発達障害の要素があったり、精神障害の影響で似たような症状になる方もいらっしゃいます。
上記の記事で説明されているように、7分半待って30ポイントを獲得するよりも30秒で15ポイント獲得できるほうがわかりやすい方が多いのです。

アーティスト活動は、先が見えないことの連続です。

1年半先の個展のために50枚の絵を描こう。という目標があるとします。
1か月の間に3点くらい仕上げないといけないですね。(現実的ではありませんが、たとえです)
毎日絵を描いて、いつの間にか描くことが目的になってしまって、「個展のために絵を描いている」ことを思い出せなくなってしまう場合もあります。
そうすると、「今、なんで絵を描いているんだろう」「誰か認めてくれるんだろうか」「こんなことをしていて、いつか自分は食べていけるようになるのだろうか……」
様々な不安に襲われます。

一方で、たとえば今日描いた絵をSNSに上げる→いいねが○個つく。
といった評価は、お金にはなりませんが、結果がすぐに出てとてもわかりやすいです。
案件でイラストをお願いして成果物が目の前に現れることも、わかりやすい結果です。
ストックイラスト制作でダウンロードや購入をされるとか、実務は結果がわかりやすい傾向があります。

いま自分がやっていることが仕事として役に立っているという実感を持ちやすい。
ビルドの作業が商業に偏っていることで、商業イラストに関わっている方が作業のモチベーションを維持しやすい環境になっています。

アート活動でも、継続的に事業を行って実績があれば
販路が確立していたり、様々な評価を得られる機会・販売機会があり成果が見えやすくなるのだと思います。(福祉事業所ではないですが有名どころ?ではエイブルアートさん、ヘラルボニーさんなど)
これは、あくまでも私たちの力不足でしかないのですけれど、コンテンツが無い→売るものが無い→アールブリュット方向の営業をかけられない→アールブリュット方向の利用者さんに興味を持ってもらえない。という循環が生まれています。
良い悪いの話ではなくて、得意不得意の話でいうと、ビルドはアート系が苦手です。
やりたい気持ちはあるけれど、収益事業化する手段を確立する余力が無いという感じでしょうか。

ビルドに通っている利用者さんたちでイラストを描いている方の大半はゲームやアニメのイラストが想定されています。
日ごろ一番目にしているものだからです。そして、スタッフもゲーム制作の仕事をしてきた人間が多く仕事としての絵作りを考えたりディレクションしたりすることが得意です。

ゲーム制作の仕事をしたい!という希望を持っていたり、マンガを描きたいという希望を持っていたりする利用者さんたちが勝負するフィールドには、障害の有無が関係ありません。
日本中の、世界中の絵で仕事をしたい人たちがライバルです。
それでいいと思います。
あえて言うと、「一般の世界」での勝負であり、障害というくくりが無い分、より過酷ではあります。
そして、障害という縛りなく、ただ「自分」として勝負できるのです。

いわゆる「大人の発達障害」としての苦労を抱えている利用者さんたちにとって、結果が明確な商業の世界はわかりやすいのかもしれません。
ただし、一番必要なのは体力です笑
なので、ビルドに通いながら絵を描く体力、デザインやイラストで仕事をするための体力をつけていきましょうね!

noteのヘッダー画像制作も作業の一環です。
本日のイラストはYOUさん(仮名)に制作していただきました。
#みんなのフォトギャラリー に登録していますので、どうぞご利用ください!

パソコンの前で悩む女性のイラスト
パソコンの前で悩む女性



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