コミュニケーション練習帳を作ってみよう。のハナシ
就労継続支援ビルドで進行しているトリセツ!プロジェクト。
第一弾としてトリセツ!缶バッジ・ステッカーセットの販売を開始してから2か月が経ちました。
ありがたいことにたくさんの反響をいただき、またSNS経由で「こういうのもあったらいいのに!」という要望を伺うことも多々あります。中でもダントツに多いのが聴覚過敏に関するもので、次回は必ず入れないとなあ…と思う次第です。(なんとなく石井マークさんの聴覚過敏マークがあるので第一弾では外したんですけどね)
トリセツ!缶バッジ・ステッカーは通販サイトで販売中です。
本来は対面のイベントで販売するスケジュールで制作していたこともあったり、ストックイラストのほうが進行していたり感染症のこともあったりで第2弾に向けた動きはゆるゆるとしています。
ビルド内ではトリセツ!やストックイラストなどプロジェクトに関する進捗を共有する定例ミーティングを開催しています。
なにせ当事者が発信する自分に必要なものを開発するプロジェクト。障害特性もあるのですが、どうしても進捗の共有が抜けてしまったり、前提にしている事柄がすっ飛んで迷子になってしまったりするので、定例ミーティングで方向性や進捗の確認共有をすることが有効なのです。
これまでプロジェクトに参加していなかった利用者さんも内容に興味あれば参加OK!というオープンスタイルで実施しています。
そこで一人の利用者さん=新メンバー:ホナミさん(仮名)から2つのご提案をいただきました。
①事業所や障害者雇用で働いているときに毎回体調を聞かれたりお答えするのが心苦しいので、ぱっと見でわかるマークのようなものを作りたい。
②コミュニケーションで困ったときの自分なりの対処法を記録した自分用のマニュアルを作りたい。
どちらも、すでにプロトタイプを用意した上でプレゼンをしていただきました。
参加者一同、大賛成。「私も使いたい!」という声が多数で、作業時間の一部を使って実制作をしていただくことになりました。
①のツールについては、まもなくビルド内で使用する試作品が完成予定なので改めて書きます。
今回は②の【コミュニケーション練習帳】のハナシ。(前置き長い!)
ホナミさん自身が想定してくれ場面4つを掲載した具体的なラフを提示していただきました。
具体的な場面設定と断りたい気持ちが書かれていて、自分ならどうしようか?を記入する欄、周囲の人からアドバイスをもらう欄が設けられているワークシート形式です。
可能なら場面に合わせたイラストを載せたい(ビルドのイラストチームに描いてほしい!)とのこと。
みんなで使うこと、それぞれの困りごとは様々なのですべての場面に合わせるのは難しいことなどすり合わせをした上でワークシートを作成し、ビルド内でデバッグ的にグループワークを実施してみることにしました。
たぶんSST的にやったほうが練習帳の趣旨に沿っているのですが、まだコリーダーの育成が追い付いていないので、ワークシートに記入→それぞれの回答を発表という形式をとりました。
シンプルなテンプレートを用意してホナミさんと打ち合わせた結果、全シート共通でいいのでイラストを入れたいということでシートの制作もホナミさんにお願いしました。
↓こちらは、私が作成したサンプル↓
↓ホナミさん作成版↓
フリーのストックイラスト、同じテイストで複数の場面に使えるものを探すのは至難の業ですね!
そして、いらすとやさんの多様さに毎回負ける……。
今後ストックイラスト制作に活かせるはずです。
みんなで実際に使ってみた結果、ホナミさんから「もっとこうしたほうがいい」という改良点を出していただいたので、今後はイラスト含めてブラッシュアップしていきます。
個人の「コミュニケーションマニュアル」としての用途だけではなく、事業所でのグループワーク・SSTの記録などのワークシートなど多様な場面で活用できるツールとして、いつかの商品化を目指していきたいと思っています。
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トリセツ!プロジェクトのスタートをきっかけに、「こんなものが欲しい!」「よし、作っちゃおう」という勢いがあることがなにより嬉しいことでした。
ここ1か月の定例ミーティングはリモートワークや三密対策のためオンライン共有のみです(涙)
ミーティングがリマインダーや〆切というか制作の目安になるという利点もありました。
世の中無駄な会議も多いと思いますが、障害当事者で動かすプロジェクトにおいては有効な手段なのだなと気づかされました。
ビルドも開設から半年が経過し、どんどん事業を動かしていけたらと考えています。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。