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「音撮りに6時間かかることもある」人気動画クリエイターが手がける“世界観に入り込める動画制作”の裏側

モデルやタレントとして活躍するクリエイターの「よしミチch」や「山賀琴子のYouTubeチャンネル」の運営・プロデュースをするbuggy株式会社。

そんな人気YouTubeチャンネルの動画編集を手がけるのが、動画クリエイターの池田友梨奈です。

独学で動画制作スキルを身につけ、インフルエンサーやファッションブランドから指名で動画編集の依頼が来るほどの活躍ぶりを見せています。

【現在のお仕事】
・インフルエンサーやファッションブランド、 アーティストのミュージックビデオなどの動画制作、ディレクション
・アパレルブランドのPOPUPやレコーディングスタジオなどの空間装飾

そんな彼女には、勉強ができなかった学生時代や、アパレルブランドの運営をしていた過去も。今に至るまでの経歴や、動画編集の裏に隠された戦略などを聞きました。

池田 友梨奈
高校卒業後、大手アパレルメーカーのH&Mでの勤務を経てアパレルブランドを設立。その後動画制作スキルを活かしてフリーランスに。インフルエンサーやファッションブランドなどの動画制作を多数手がける。

関根貴大 / buggy株式会社 代表
新卒で大手PR会社ベクトルグループのPR TIMESに入社、MVPを獲得。その後TWIN PLANETグループの子会社を創業、国内最大級のインフルエンサーマッチングプラットフォームの立ち上げ。2019年8月、FIREBUGの戦略子会社としてbuggyを創業、エンタメ領域のDX推進に従事。2022年3月、buggyをMBO、現在は美容領域のクリエイター支援やIPプロデュース、企業のSNSやYouTubeのマーケティング支援をしている。
buggy:http://buggy.tokyo/ 
Twitter:https://twitter.com/mu41208

本企画は、クリエイターのプロデュースなどを手掛けるbuggy株式会社の代表を務める関根(@mu41208)と、buggyに関わるさまざまなメンバーが対談。現役で活躍する人たちにプロデュース術や仕事にかける想いをお聞きします。

“ビリ”の成績からアパレル店員を経てブランドを設立

関根:友梨奈は経歴が面白いよね。生まれはどこだっけ?

池田:神奈川県横浜市の育ちで、小学生の頃は囲碁で遊んでましたね。地区センターのおじさんたちと勝負して、勝ったらジュースを奢ってもらえました(笑)。ピアノも習っていて、中学生の頃はバドミントン部。本当に普通の子でしたね。

関根:高校は?

池田:高校はいわゆるギャル校に通っていて、勉強はクラスで最下位でした。

関根:勉強が苦手だったんだ?

池田:じっとしているのが苦手で、先生の話を聞けなかったんですよね。でもノートを一生懸命取っていたので、卒業はさせてもらえました。

ただ、卒業後にやりたいことが決まってなかったので、大学や専門学校に行っても無駄になってしまう気がしたんです。なので進学せずにH&Mでアルバイトを始めました。

関根:H&Mでは何年くらい働いたの?

池田:半年間働いた後に正社員になって、計3年半働きました。マネージャーへの昇進のお話もいただいたのですが、自分が人の上に立つことが想像できなかったんですよね。

「こうすればもっと売れそうなのに」という疑問がたくさん出たこともあり、退職することにしました。退職後は有給が1ヶ月くらいあったので、その間にアパレルブランドを立ち上げたんです。

関根:自分でブランドを立ち上げたの!?

池田:はい。実店舗だと難しいと聞いていたので、オンラインでショップを立ち上げました。とはいえ、資金が2万円しかなくて(笑)。

関根:よく2万円でブランドを立ち上げようと思ったね。

池田:周りにも「資金がないと無理だよ」って言われたのですが、逆にそこで火がついちゃって。

まずは1000〜2000円ほどの洋服を3着仕入れて、1着売れたら2着増やすサイクルで販売を始めたら在庫が100着まで増えたんです。とはいえ、ブランドの売り上げだけだと生活が不安だったので、イタリアンカフェでアルバイトもしていました。

関根:そのブランドはどうなったの?

池田:ブランドを始めて半年ぐらい経った頃に、Instagramでモデルになってもらう子を見つけ、運営は1人で行っていました。そこからフジテレビさんに使っていただいたりと大きくなり、1人で回せなくなってしまいました。

ここから誰かを雇って会社として大きくするには妥協も必要と思い「ちゃんとビジネスをしなきゃいけない」という気持ちになったのですが、ある程度の流れがわかったことと、当時まだ23歳だった事もあり、今のうちにもっとたくさん視野を広げておきたいと思い、閉じることにしました

YouTubeから購入に繋げる“仕掛け”作り

関根:アパレルブランドを閉じてから動画編集を始めたの?

池田:いえ、アパレルブランドを運営しているときに、撮影と動画編集を始めました。ただ商品を仕入れて販売するのではなく、きちんと世界観を作りたかったんです。そのためにモデルさんも雇っていました。

その話をバイト先の店長にしたら「店の売り上げに繋がりそうなことなら、好きなようにやっていいよ」と言ってくださったんです。

関根:そのバイト先のカフェではどんなことをしたの?

池田:江ノ島の海の近くにあるお店でウェディングにも力を入れていたので、「プロポーズの会場を作りたい」と提案したんです。看板を新しく作ったりInstagramでの発信をしたり。そこで動画の撮影もさせてもらっていました。

ブランドを閉じたタイミングでそのバイトも辞めて、フリーランスで活動していくことにしたんです。

関根:なるほどね。俺がbuggyを創業してYouTubeチャンネルをたくさん立ち上げ始めたときに、共通の知り合いを通じて友梨奈が動画編集チームに入ってくれたんだよね。

池田:そうですね。

関根:そのときから、よしミチや山賀(琴子)の動画編集をお願いしているよね。動画編集スキルは全部独学で身につけたの?

池田:はい。当時は今ほど動画制作をしている人がいなかったので、誰かに教えてもらうことはなかったですね。他のクリエイターさんと差別化させたかったので、海外のYouTubeを見てクオリティの高い知識を得ようとしていました。

関根:友梨奈は、インフルエンサーやハイブランドのようなおしゃれに動画を仕上げたい層にフィットしているよね。だからファッションやコスメ系の案件は友梨奈にお願いしてる。友梨奈が動画にハマった理由は何だったの?

池田:私はバズらせて再生数を伸ばすよりも、購入に繋がるような“仕掛け”をするのが楽しいんですよね。SNSで検索かけたときにYouTubeが購入に繋がっている投稿を見ると「よっしゃ!」ってなります(笑)。

関根:それはどんなふうに仕掛けるの?

池田:まずはブランドを購入しているお客さんがどんな方かリサーチします。

例えばブランドをプロデュースしている方が知名度のある方だったら、お客さんはその人に熱い思いを持っている方が多くて。新商品が出るとスクショした画面をSNSに載せて、「どれ買おうかな」と楽しんでいることに気づいて。

だから「スクショしたくなる動画」を作ろうと思って。商品動画を作るときに、1枚ですべての情報がわかるようなシーンを作ることを意識しました。

関根:めちゃくちゃ分析してるね、すごい。

池田:なるべく案件ごとに目標を作りながら制作していますね。そのほうが飽きないし、自分も成長できると思うので。もちろん失敗することもたくさんあるんですけど、次回に活かしながら制作しています。

関根:納品して終わりではなく、視聴者やファンの反応までしっかり見て次に活かしているのがえらいよね。

池田:似た系統のブランドでも仕掛けの作り方はまったく違うので、そこも楽しみながら制作できています。

細部までこだわり、自然に世界観に入り込める動画を

関根:動画に入れる音も自分で録ることがあるんでしょ?

池田:そうです。動画編集用の素材もたくさん持っているのですが、そのシーンにぴったりな音を持ってないときがあるんですよね。外に出て音を録りに行くことで、インスピレーションも湧いてきます。

関根:すごいよね。でも言ってしまえば、持っている素材から一番近い音を使っても動画編集の単価は同じわけじゃん。そこは単価を気にしないというか、自分の作りたい動画の世界観のほうが優先ということ?

池田:そうですね。お金はもちろん大事なんですけど、まだまだ数年は下積み時代だと思っています。1日で終わるものを3日かけて作ることもあるので、そう考えると赤字になっているときもありますね……。

関根:こだわりがすごい。音をわざわざ録りに行ったときって、そのことをクライアントに伝えるの?

池田:言わないです。だから気づかれていないと思います(笑)。今はサイトから見つける事も多いですが、こだわりが強すぎてこの間は“階段の音”を6時間くらいかけて探しました。昔はブランドさんのオープニングを作るのに1日かけてましたし(笑)。

関根:友梨奈がそこまでこだわる理由はなに?

池田:動画と音のイメージが合っていないと、世界観に入りづらいんですよね。ディズニーランドで音楽が聴こえてきただけでワクワクするように、気持ちよく世界観に入り込めることが大事だと思っています。

関根:違和感なく世界観に入り込めるから、気づかれないんじゃない?

池田:たしかに。あとは、言わないからこそ、気づいてくれた人がいたときにめっちゃ嬉しいです。

関根:編集だけじゃなくてディレクションからやることもあるの?

池田:あります。私、どんな問題にも絶対に解決策があると思っているのですが、そのためには全体を見る必要があるんですよね。

だから私が一部を担当しただけだと何も変わらなくて。「あっちはこうしたいし、こっちはこうしたいし…」と色々やりたくなっちゃうので、一括で引き受けられるようにディレクションから受けることも多いです。

関根:なるほどね。たしかに、友梨奈に向いてるかもね!

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今回は動画クリエイターとして活躍する池田友梨奈に、これまでの経歴や動画制作をする上で心がけていることについて聞きました。

先を見据えてアパレルブランドを閉じたり、購入を想像して動画を編集したりと、常に未来を考えて行動してきた結果が今に繋がっていました。

次回も引き続き池田友梨奈が登場。ぜひお楽しみに!

<撮影協力>
今回の撮影は渋谷駅より徒歩6分の所にあるカフェ「Beans Garage Coffee」にご協力いただきました。夜はBARにかわり、お酒も提供しています。

<ふたり広報:取材・多葉田愛/執筆・伊藤美咲/編集・えるも/写真・琴>

buggy(バギー)株式会社 〜The Energy Production “buggy”〜
世の中のクリエイターと協力し新たなエネルギーを生み出しそのエネルギーをきっかけに社会との繋がりを広げ、熱量の伝導を後押しするポジティブなエネルギーの総量を増やすことを目指し活動しています。美容に関するIPのプロデュース、クリエイターマネジメント、企業のSNSやYouTubeのマーケティング支援などを手掛けています。
お問合せ/案件のご相談:https://buggy.tokyo/

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