脳内スクランブル交差点。

手首から鉄の匂い。
脳内スクランブル交差点。
行き交う人々のカラフルな傘。
そう。心は雨。
幼い頃、雨がキャンディだったらいいのに。なんて言ったけれど、あの高さからキャンディが降ったら痛いじゃ済まないよな、なんて考えるくらい大人になったモノの、未だキャンディの雨を欲してる。
うさ耳セーラー服を着て、可愛いパンツやスカートを履いて。
ピアスをバチバチに開けて痛い37歳を謳歌して居る。
ピアスは顔面10個とフィンガー3個を外して、見た目はかなり落ち着いた。
髪色もピンクや青や紫やレインボーに飽きて今は黒。
私じゃ無いみたいだ。
ピアスや髪色は謂わば装備みたいな物で、防具のような役割なのだ。
其れ等に身を包んでいなければ安心した生活を送れない。
所謂普通と云う枠に嵌っては生きられないのだ。
理解は求めて居ない。同調も求めて居ない。
私が私として生きる為に必要なだけだから。
早く元に戻らなくちゃ。
早く可愛いに成らなくちゃ。
こんな醜いままで流血しても醜いの私。
何をしても醜いの。
鏡に映るのは怪物。とびきり醜い化物。
スクランブル交差点。
今ならキャンディの雨が降るかも?
コーラ。ストロベリー。チョコ。グレープ。
スケルトンバッグの中にはゼリービーンズ。
とびきり可愛い。
注射器のボールペンで。
お互いの体に名前を書き合った時のドキドキ。
とびきり愛しい。
スクランブル交差点。
今日は一日中雨だから。
私はピンクのお布団で傷だらけのうさぎの夢を見る。

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