春。帰路にて。

後ろ髪を引いて離さない手が在るから。
一人を思う真っ直ぐさに髪を切った。
セピア色の桜は私達だけの宝物。
揺るがない愛情のなんと儚いこと。
梦を視る鯨は何時だって悲観的だ。
情け無い吐息と共に。
君への思いを漏らしては。
どうせ嘆くのが末だと考えるでしょう。
行く行くは共に歩むのだから。
誰にも文句は言わせない。
肌寒い季節の中手を繋ぎ。
自宅迄の帰路を辿る。
染めた頬。
白い肌にとても良く似合う。

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