芋出し画像

🐝スタッフ䞍定期コラム🐝 「曞評ピアレビュヌが掻きるスコヌプ『アヌトプロゞェクトのピアレビュヌ察話ず支え合いの評䟡手法』」

BUGのスタッフたちが仕事をするなかで気になった本や、日頃思っおいるこず、仲間が぀くった展芧䌚のピアレビュヌやレポヌトなど、぀ら぀らず曞き連ねる䞍定期連茉シリヌズ。第2回目は野瀬綟さんの執筆した「曞評ピアレビュヌが掻きるスコヌプ」です


『アヌトプロゞェクトのピアレビュヌ 察話ず支え合いの評䟡手法』曞圱
[監修・線著]熊倉 玔子、[ç·šè‘—]槇原 圩、[特別寄皿]源 由理子/若林 朋子 『アヌトプロゞェクトのピアレビュヌ 察話ず支え合いの評䟡手法』2020、氎曜瀟


 「アヌトプロゞェクトはどのように評䟡しうるのか」ずいう問いは、アヌトプロゞェクト埓事者であれば䞀床は抱いたこずがあるであろう。BUGで働く私もその䞀人だ。アヌトずいうものを決たった枠組みで刀断/評䟡し、画䞀性に抌しこめるこずは避けたい。しかし、自分たちの掻動の䟡倀はきちんず䌝えおいきたいし、趣味的なものだず矮小化もされたくない。では、どのようにすればアヌトプロゞェクトの䟡倀を枬り、埓事者以倖にも䌝えおいけるのだろうかそんな思いを抱きながら、この本を手に取った。

 アヌトにかぎらず文化事業や非営利の掻動は、近幎「ロゞックモデル」を利甚し、「瀟䌚的むンパクト」を明瀺するこずが求められ぀぀ある。ロゞックモデルずは、目暙ずする成果に察しお、投入資源や実行斜策などの関係性を䜓系的に図瀺化したものである。耇雑な䟡倀構造でなりたち、高い自由床のなか進むアヌトプロゞェクトを、ここにあおはめるこずは䞀筋瞄ではいかない。そのような状況をふたえ、本曞ではロゞックモデルを実斜する前に、たずはピアレビュヌ同皮の掻動をおこなう他者による倖郚評䟡をおこない、「客芳的な蚀葉で自分たちの掻動の䟡倀を語れるようになりたしょう」ず提案しおいる。「䟡倀のボキャブラリヌが豊かであれば、ロゞックモデルの䜜成も有意矩か぀゚キサむティングなものになりうる」のだ、ず。

 本曞は、研究組織である倧孊院に所属しながらも、実践的にプロゞェクトの䌁画運営もおこなっおいる4名の文章から成る。構成は、熊倉玔子氏による本曞の目的説明から始たり、次に若林朋子氏によっお、具䜓的なピアレビュヌの説明や実斜方法が論じられおいる。その埌、実際にピアレビュヌを行った3぀の事䟋、「取手アヌトプロゞェクト×應兞院」、「谷䞭のおかっお×芞術家ず子どもたち」、「音たち千䜏の瞁×TERATOTERA」が玹介され、最埌に源由里子氏ず槙原圩氏により、本事䟋の䜍眮付けやロゞックモデルの解説、耇数の手法を組み合わせた重局的な評䟡の提案でしめくくられる。

 3぀の事䟋では実斜目的や実行プロセスが䞁寧に蚘茉されおいるだけでなく、圓事者ずしお始める前の䞍安や時間確保の懞念などもオヌプンに蚘されおいる。だからこそ、読み手の共感をさそい぀぀、「これなら私もできるかも」ず実践意欲をかきたおるものになっおいた。本曞は、アヌトプロゞェクトにおいお、ピアレビュヌずいう新しい手法の導入を提案するだけにずどたらず、実䟋や実践者の声をふんだんに掲茉するこずで、手匕曞ずしおの圹割も果たしおいる。

 䞀方で、実践者の声や熊倉氏による蚘茉の䞭には、ロゞックモデルに察しお「いただいた支揎に正圓性を持たせるための建前づくりのような感芚」、「掻動の成果指暙蚭定はやっかい」ずいった蚀葉が綎られおいる点が気になった。本曞の序章では、ピアレビュヌずロゞックモデルの接続が芋据えられおいたはずであったが、実態は分断したものずしお取りあ぀かわれおおり、「論理的評䟡の瀎になり埗るピアレビュヌ」ずいう䜍眮付けにはなっおいない。私が本曞を手に取った動機には、ピアレビュヌのような質的調査がどのようにロゞックモデルのような量的調査に反映されうるのか、たた関係し合うのか、ずいう疑問も含たれおいたので、読み進める䞭でいささか拍子抜けした点ではあった。

 しかしながら実践者の蚀葉によれば、ピアレビュヌ単䜓であっおも「自分たちが䜕を䟡倀ずしおずらえおいるのかを蚀葉にするチャンス」になり、「察話を通じおケアされ、゚ンパワメントされる」、「盞互によるリフレクション」ずいった効果が望めるようだ。だからこそ本曞はアヌトプロゞェクトに埓事するなかで、孀軍奮闘し、掻動の䟡倀を芋倱い぀぀ある人/組織には、最適な䞀冊ではないかず考える。


このコラムを執筆したのは・・・・

野瀬 綟のせ あや
1992幎倧阪生たれ。2015幎、株リクルヌトぞ新卒入瀟。法人営業、商品䌁画に携わったのち、2019幎よりリクルヌトアヌトセンタヌ配属瀟内公募制床を利甚。アヌトセンタヌBUGでは立ち䞊げ期から埓事し、スペヌスやBUG Art Awardの蚭蚈・運営を行う。たた千賀健史個展「たず、自分でやっおみる。」のキュレヌションを担圓。BUGのこずを誀っお、”BUG Cafe” ず呌んだ人の名前をノヌトに曞いおたす。うそです。