コミュマネとしての軌跡を辿る、8期インターン企画「コミュマネJourney」|BUFF卒業生の今 #04
歴代運営インターン生が中心となって始まった企画「BUFF卒業生の今」はBUFFの卒業生の現在の活動についてインタビューを行ってきました。
そんな「BUFF卒業生の今」から生まれた8期インターン企画「コミュマネJourney」ではBUFF卒業生の方をおひとりをゲストにお招きし、BUFFを受講しようと思ったきっかけやそのとき得た学び、さらに卒業後から今に至るまで、コミュニティを軸にどのような人生を歩んできたのかを伺っていきます。
「コミュマネJourney」の初回は、BUFF4期卒業生で、現在は東京・麻布十番にあるコミュニケーション特化のシェアセッションスペース「BIRTH LAB」でコミュニティマネージャー兼ディレクターとしてご活躍中の池田 史(いけだ ふみ)さんをゲストにお招きし、さらにBIRTH LAB現地からインタビューの生配信をお届けしました。インタビューの詳細を、こちらのnote記事でも紹介していきたいと思います。
▶︎「コミュマネJourney」ゲスト池田史さん
池田史(いけだふみ)
コミュニティマネージャー兼ディレクター新潟県生まれ。南山大学出身。(株)リンクアカデミーにて、PC講師・キャリアカウンセラーを経た後、2019年4月より、BIRTH LABにてコミュニティ運営に取り組む。
BIRTH LABの紹介
BIRTH LABは、次の時代を創る事業者が集まるワーキングスペース。自宅以外での作業、オンライン会議への出席など、個人のワークスペースの他、撮影・イベント会場としても利用可能。
目次
-コミュニティ、コミュマネとの出会い、コミュマネとしての活動きっかけ
-コミュマネの学校BUFFとの出会い
-BIRTH LABでのコミュニティ運営について
-BIRTH LABでの施策について
-池田さんが考えるコミュマネとしての立ち回り方
コミュニティ、コミュマネとの出会い、コミュマネとしての活動きっかけ
ー今回のインタビューでは、コミュマネとの出会いから現在に至るまでをコミュマネJourneyとして主要となるライフイベントともに、ライフチャートを書いていただきました。ライフチャートに添いながら、色々な話をお伺いしていきたいと思います。まず最初に、ここ、BIRTH LABの誕生からお伺いしていきたいのですが、2019年のオープンから、史さん自身はどのような経緯で運営としてジョインされたんですか?
池田 史さん(以下、池田):
プロデューサーの内田さんに誘っていただき、次の仕事としてチャレンジしようと思いからジョインしました。当初はコミュニティースペース、シェアオフィス、コワーキングスペースも初めて聞いたような状態で何をしたらいいか分からないまま、一緒に働いてみたいなという直感的な感覚でした。現在はシフト制で6〜8人現場のスタッフがいるのですが、毎日2人ずつ入れ替わりで勤務しています。
ー今まであまりコミュニティーやコミュニティスペースを意識したことがないとおっしゃていたのですが、打ち合わせにて、「コミュマネっぽいね!」と言われた経緯があるとお伺いしたのですが、そのお話を詳しくお聞かせください。
池田:
最初はBIRTH LABを知ってもらうために、いろんな方をお呼びし、スペースの説明などをさせていただいていました。業界、業種問わずいろんな方に来ていただき、打ち合わせをさせていただいたのですが、その際にコミュマネの話になり、そこから自分が「コミュマネっぽい」という話題が出たことで、初めてコミュマネという言葉を意識しするようになりました。
ー最初にコミュマネという言葉を聞いた印象どういったものでしたか?
池田:
なんとなく心地よく話せる人、人当たりは良いからそう言われたのかな〜とか、コミュニティマネージャーの「マネージャー」って何だろう?といったふうに、よく分からないものという印象の方が強かったですね。
ー今までコミュニティでコミュマネっぽい活動はされていたのですか?
池田:
思い返せば、学生の時にセミナーの運営、ボランティアスタッフ、サークル活動などのコミュニティには関わっていたなと思ったのですがそれをコミュニティとして捉えて継続して運営していく人がいる(コミュマネ)についてはあんまり考えたことがなかったですね。
コミュマネの学校BUFFとの出会い
ーふわふわとした概念が、初めて「コミュマネ」として言語化されることで、興味や関心を持つきっかけになると思うのですが、BUFFを受講するに至る経緯や、興味関心のきっかけは何だったのですか?
池田:
「コミュマネっぽいね」と言われる前からBUFFの代表の加藤さんがコミュマネの学校についての説明会やコミュマネ入門編の講座をBIRTH LABでやられていて、最初はあまり自分に関係あるワードとして捉えていなかったのですが、BIRTH LABで活動する上で、コミュニティーマネージャーという肩書きをつける話がぼんやり出てきた時に、BIRTH LABに誘っていただいた内田さんからBUFFの受講を勧められました。
ー実際に受講していかがでしたか。また、コミュニティやコミュマネに対する眼差しは変わったりしましたか?
池田:
コミュニティマネージャーになりたい!という想いで受講したわけではなくて、どちらかというとわかるようで分からないところや、腑に落ちていなかった部分をはっきりさせたかったという想いがありました。周りにコミュマネの肩書きを持つ人が当時はいなくて、この受講がきっかけで、コミュマネの人や運営をしている人、知見がある人と繋がることができ、何かあった時に相談できるような仲間ができたのすごくよかったなと思います。
BIRTH LABでのコミュニティ運営について
ー実際にコミュニティやコミュマネはこれが正解、このやり方が正しい、など絶対的な成功論や回答はないと思います。そのような中で、この受講を通じてコミュニティへの理解はできたのですか?
池田:
そうですね、実際に現場でコミュマネとして働いていく中で、コミュマネについてより理解したり、壁にぶつかったりすることで後からわかっていくことが多かったですね。
ーそうだったのですね、実際に卒業してから現場で活動することでふわふわしたものが言語化したり、ふわふわしたものがはっきりしていった感じですか?
池田:
当時は、他に働いているメンバーでコミュマネの肩書きを持っている人がいなかったので、一人でそもそも何をしたらいいか分からなかったのですが、2020年の4月にコミュ二ティ形成支援アプリを作っている青木さんがコミュマネとしてジョインしてくれて少し状況が変わりました。ディスカッションする相手ができて、自分の中にあったものが違う言葉で返ってきて壁打ちをすることでやっと言語化したり理解できたりした感じ。それこそ最初はコミュマネの肩書きを受け入れていない部分・よく分からない部分があったのですが、今は、コミュマネといえどいろんな働き方があったり、場所によってやっていることが全然違うのだから、このコワーキングスペースでコミュマネをやるってどういうことなんだろうって少しずつ言語化していっている感じです。
ーここBIRTH LABでコミュマネとして活動しているなと実感した瞬間や、他者との会話の中で気づいたことなどありますか?
池田:
少しずつ、ここBIRTH LABが人々のハブになってるなとは思います。会員さん同士の橋渡しや、コミュニティを作っていって活性化するのはすごく時間かかるのですが、今まで地道に意図せず種まきしてきたものが芽吹いてきて、いろんな距離感が近づいているなっていう風に思っています。slackなどの導入を経て、会員さん同士の交流や運営メンバーの活動について発信をすることをしているのですがそんなに毎日活発なコミュニケーションをとっていたというよりも緩やかに動いているなっていうのが1年続いて、ちょっとづつ温まってきたなと思いました。
ーコロナ禍に置いて、オンラインコミュニケーションの活発化を目指しプラットフォームとして新しくslackを導入する事例は多くあります。BIRTH LABでの紆余曲折であったり、運営する上で大変だったことなどありますか?
池田:
そもそもコミュニティって大事だよねっていう意識統一に何ヶ月もかかかったという感じです。青木さん(BIRTH LABのコミュマネ)がコミュニティについての知見があり、コミュニティの形成には時間がかかるという認識をみんなに作ったのが大事でした。すぐに営業みたいに数字として成果が出る訳ではなく、ゆっくりと俯瞰してみることの視線合わせはできたのが大きかったなと思います。
ー人と人を結びつけるのはたまに暴力的な行為だと思うのですが、バッファーとしてコミュマネが介入する上で、池田さんが目指すコミュマネ像、みたいなところを後半は聞いていきたいですね。具体なエピソードになっちゃうのですが、コミュマネとして活動して嬉しかったこと、活動があっているなと思うことはありますか?
池田:
意図せず会員さん同士が繋がったりする時は嬉しいですね。どのタイミングでどうしてそうなったのか分からないのですが、この場があって、続いていることで何かが始まっていくっていうその緩やかなつながりが生まれそうになっている瞬間はとても面白いと感じます。
BIRTH LABでの施策について
ー緩やかなつながりですね、史さんがやってらっしゃることは、畑にタネを巻くという行為だと思うのですがただ乱雑に巻くだけでは芽吹くものは芽吹かない、ただ一方で思ってもみなかった植物が生えきたり、それを伐採せずいかに共生させていくか、考えながら少しずつ多様で小さな芽が育っている感じなのかなと思いました。その上で、先ほどおっしゃっていたコミュニティ形成アプリTAISYについて少しお伺いしていいでしょうか?
池田:
話の履歴やログを残し、会話の内容をシェアすることでいろんな人がそこに様々な形でアプローチすることをサポートするアプリです。情報でもなんでも、自分の中だけで何かを解釈するよりも、違う人の解釈やネットワークを経て返ってくるものが違うので、いろんな人が介在するきっかけになったらいいなと思います。
ー先ほどの例えでいうと、種まきのログを残すことで色々なとっかかりポイントを残すという感じですかね。今2人でコミュマネとして活動していると思うのですが、2人で行う上で意識していることはありますか?
池田:
いろんな人がいると思うので、相性もあるかと思いますが、お互いコミュニケーションが取りやすいように、なんでもシェアしたり、言語化して相互に意見を交換していたり、お互い決めることは決めて行動したりで・・・なんでもしゃべっています。
ーそうですよね、どんな人であろうと対話をすることがまずとても大切ですよね。一方で、コミュマネは一人で回すというイメージが強いし、やりやすそうだなと思うのですいかがでしょうか。
池田:
絶対に2人がいいと思います。特に私は一人で解を見出していくタイプではなくて、いろんな人と話しながら自分で気づくこと、気づかせてもらうことがあるのですが、やっぱりディスカッションしながら一緒に作って進めていけるのは安心感もあるし精神衛生的にもとてもやりやすいと思います。
ーいろんな仕事を分担できることで考える時間、対話する時間が生まれますよね。ちなみにslackの運営はふみさんが管轄してらっしゃるのですか?
池田:
麻布十番のBIRTH LABの他、シェアオフィスが神田と虎ノ門にあり、BIRTH IN - RESIDENCEというマンションが麻布十番にがあり、そこの会員さん全員がslackに入っている状態です。用途としては、掲示板などで事務的な連絡や、災害時の連絡などをしています。他にも雑談としてなんでも投げていい場所や告知やPRなど宣伝チャンネルなどもあります。そこでは、告知がしやすいような場を作っています。
ー実際に感覚でもいいのですが、slackでの対話は生まれていると感じますか?
池田:
ちょっとずつ生まれていると感じます。直接オフラインで知っている人はオンラインでもリアクションしたりするのですが、オンラインでしか知らないで、会ったこともない人とは反応もしにくいと思います。そこで、絵文字をスラックにめちゃくちゃ入れることで、コメントがしやすい設計にしています。スタンプ一個でリアクションしやすいように、オーナーの絵文字を作って入れたり(ギリギリの線を攻めています)、いろんな文体の文字を作ったりもしていて、コメントするハードルを下げたりしています。
ーBUFFの講座でもナッジ理論というのを習い、強制的に人に対して働きかけるのではなくて、強制せずとどうしたら望む動き方をしてくれるのか、環境構築から考えることなど学びました。他にも取り組みとしてどんなことをされているのでしょうか。
池田:
Slack以外にも場所を分けて展示ブースを作っていて、BIRTH LABを紹介する場所を作ったり、フリードリンクを作っているのですが、その隣に会員さんの紹介ブースを作ったり、入り口近くには外部と連携しているプロジェクトの紹介をしたりしています。今までは雑多な感じで置いていたのですが、場所分けをしておくことでよりパーパスがはっきりし、「これってここに置いてもいいの?」というご相談もより多くいただくようになりました。また、お弁当販売など、イベントの告知も兼ねた外部の企業さんとの共同のプロジェクトも行っています。
ーイベントなどもやられてるんですね。今はオンラインのイベントなどが多いかと思いますが、イベント全般どのようなことをされているのか、実施の経緯だったり扱っているコンテンツの詳細をお伺いしたいです。
池田:
外からのご相談が多くて、一緒にやっていくことが多いですね。中にはボードゲーム会やゆるい飲み会がありましたが、主体となったイベントというよりも、外部の方と一緒に作っていくという感じです。
ー麻布十番のBIRTH LABを利用している方のペルソナのタイプなどお伺いしたいなと思ったのですが、この地域はどういう方が多いのでしょうか。また、そのペルソナに合わせてこの場所を設計しているのかお伺いしたいです。
池田:
周辺にお住いの、ある程度お金に余裕があったり自分の会社を持っていらっしゃる、家の近くに仕事する場としてリフレッシュできる場所を求める人が多いですね。また、ペルソナに合わせたかというところですが、「こういう人たちを集めてこういうスペースが作りたい!」という詳細のペルソナを設定した上で運営を開始したのではなく、どちらかというとこの場所にそういう人たちが必然的に集まり今のコミュニティの形を形成したという感じですね。
池田さんが考えるコミュマネとしての立ち回り方
ーこれからは、イベントやコミュニティをこれから行っていく上で、ここを利用している方のペルソナに合わせて運営していくのか、史さんの中での理想のコミュニティーやコミュマネ像を追い求めるのか、今後はどうされたいのでしょうか?
池田:
それでいうと何がしたいというはないのですが、今目の前の会員さんに寄り添っていきたいなと思いながらも、麻布十番の町の中でもバースが面白そうだなと興味を持ってもらう場所としても運営したいです。あわよくば両方兼ね揃えていきたいですね。想いに共感して集まるっていうのはすごくエネルギーが高まると思うので、どんなコミュニティを作って何がしたいかによるけれども、それだけ引力が強いと反発も結構あったりすると思っていて、いろんなことが起こり得ることは覚悟しながら、BIRTH LABの知見が他に活かしていきたいです。一概には言えないのですが、コミュニティを醸成して行ったり、継続的に存続していくためにはコツコツと緩やかに何かを続けていくことが大事なのではないかなと思います。
ーコツコツ続けていくというのはある程度の妥協と折り合いが必要だと思います。自分の中で解を用意していくと一方通行になってしまうと思うのですが、あえてコミュニティをあみだくじと捉えることでそのように何が来るかわからずもとても楽しみながらコミュニティを作っていってるんですね。
池田:
今の話を聞いて、まさに自分の人生もそんな感じだったなと思いました。その時の最善で決断をしていたもの、結構柔軟にその時どきを捉えているなというかこうあるべきと思いながら本当にそうかな?と思いつづけてきました。
ーまさしく生き方に寄り添っているのですね。最初に「リーダーっぽいね」ではなく、「コミュマネっぽいな」って言われるのは何か史さんだからこその部分があるのかもしれないですね。ここで視聴者さんからの質問をいくつか取り上げていきたいと思います。まず最初に「BIRTH LAB」という名前はどういう意味合いがあるのですか?
池田:
本当に名前のそのままで、「何かが生まれる」「新しいものが生まれるための土壌づくり」というのがありますね。
ー「何か生まれる場所」、今までの話のまとめではないですが、その何かを決まり切ったものにせず、柔軟に育てて行けるような場所なのかなと私も感じています。それでは最後の質問です。史さんの目指すコミュマネ像をお伺いしたいと思います。
池田:
何かになりたいという強い願望があまりなくて、フラットな感じで新しいものを柔軟に受け入れられる自分でありたいです。今の自分とは違う考えを持っていてもそこに興味を持ったり、そこに考えるきっかけを考えたり、そういう違うものに対しても興味を持てる自分でい続けたいですね。
ー自分は何もコミュニティについて知らないという前提に、突き進んでいくのですね。
池田:
こうあるべきとかこれが正解ってなんとなくあっても1年先はそうではないかもしれないし、いろんなものを受け入れた方が面白いなと思います。
ーコロナ禍において少し見えてきたコミュマネの像とかあったのですか?
池田:
いろんなオンラインのコミュニケーションはこの1年模索してきたものの、結論この1年間これといったことは何もできなかったのですが、リアルなコミュニケーションやホッとする場は大事なのかなと改めて考えましたし、アタッチメントというか同じ空気感や場の共有、なんとなく同じ場所にいるというリアルなコミュニティの安心感などを再確認しました。なんとなく知っていて、知らないけど安心できるというのは落ち着きますよね。
ー心理的安全性の高い空間に身を置けるのはとても大事ですよね。では、最後に一言、伝えたいことはありますか?
池田:
うまくいかないこと、何も進まないことはたくさんあると思うし、ビジネスとしてやると採算を合わせていったりしないといけないと思うのですが、何かを続ける中でヒントを得て、「ここって絶対間違ってなかったよね」と自分の中で確固たるものを見つけてスピードを持って、確信を持って続けていくことが大事だと思います。ここまで来るのに、2年3年かかりましたが、みなさんにも自分なりの答えを見つけもらいたいです。
一人で悩んだり、正解のわからないものに対して向き合うのってしんどいと思うので、解がわからなくても壁打ちしあえる相手がいるってとても大事だと思うので、BUFFでの出会いは大切にしていきたいですね。
改めて、池田史さん、今回インタビューをさせていただき本当にありがとうございました!現在BUFFの9期生も募集中なのでぜひ詳しくは以下のページからご覧ください!
9期 認定プログラムについて
BUFF(バフ)はコミュニティマネージャー育成のスクールです。
将来様々な分野でコミュニティから社会を面白くしていく人材を、輩出していきます。認定プログラムを通じて、専門性と共に社会の裏側を支える仲間との出会いの機会を提供しています。
応募締め切り:4月21日(水)23:59
こちらより詳細をご確認ください!
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