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思考の深さとメモ上手、マネ上手

写真は全く関係ありません。今日行ってきたカラヴァッジョ展が素晴らしかったのでその記念。笑カラヴァッジョ、ほとんど知らずに行きましたが、後世への影響が多大すぎてびっくりしました。

では本題。

私の勤める日本語学校とは人種のるつぼです。

ある程度国籍に偏りはありますが、いろんな人がいます。

で、いつもながら当たり前なんですが、

お国違えば勉強の仕方も変わる。

島国ニッポンと欧米なら違うのもわかるけど、陸続きのモンゴル中国ベトナムでも違う。

これはknkデータなので全く当てになりませんが、

中華圏の学生はとにもかくにも書きまくります。こっちのくだらない板書まで書きます。書かんでええと言っても書きます。

一方、ベトナムの学生はあまり書きません。漢字を書く手が追いつかないのもありますが、書くより耳で覚えようとします。教科書はもちろん、ノートも真っ白な子が多いです。配布物もただ挟むだけ。それで後でどうやって復習するのか不思議なのと、書けと言っても書かないのは困ったものですが、おしゃべりは上手な子が多いです。

おもしろいなーと思ったのがフィリピン。うちのフィリピン人たちはミンダナオ語が母語なのですが、母語の発音が日本語に近いのでしょう。

こっちの言ったことをそのままローマ字で書いて、下に英訳付けてる。

なんと器用な!

韓国人も似た感じで、聴解なんかはハングルで日本語の発音を書き取って、そこから考えたりしていますが、説明した言葉をアルファベットで書いて英訳付けてるのは面白い。

とまぁ、いろいろな勉強法を見せてくれる彼らですが、入学後ぐーんと伸びていく子たちで共通してるなぁと思うのは、

「母語での思考が深い。」「メモ上手、マネ上手は伸びる」

彼らにとって日本語は外国語なので思いの全てを表現し切るのは相当難しいはず。でも、しっかり考えて出来る限りの日本語で意見を言おうとする子は伸び率がすごい。その伸びるタイミングはそれぞれですが、結果はどこかで出てきます。

もちろん、こちらもなるべくどの学生にも考えたり自分の意見を言えるような指導を心がけていますが、母語でもそれが苦手な子は伸び率が鈍い。もちろん、反省して努力してグッと上がる子もいます。でも少数です。

スタート時、同じレベルでも、テストの点では同じでも、母語がしっかりしている子は実生活での表現が豊か。そして「読解や作文はどうですか。または面接の練習も」と聞くと「国の言葉では言いたいことがあるのに、日本語で言えないのがもどかしいです。でも、頑張ります」と答えます。

「難しい。書けない!」で諦めちゃう子は最初は調子良く頑張っていてもどこかで停滞してしまう。聞いてみると母国でも読解や作文は苦手だったという子が多いです。

こうしてみると、いかに母語で深く考えるのが大事かを考えさせられます。

今日本のお父さんお母さんは子どもの英語教育に熱心な人が多いし、小学校でも英語は必須になりました。でも、日本語(国語)を疎かにしないでほしい。

英語は大事。この国際社会で必須アイテムです。英語で自分を表現できたらどれだけ素晴らしいでしょう。

でも、日本で生まれ育っていくなら日本語で考える素地もしっかり養ってあげてほしい。中途半端が1番良くない。やるなら徹底的に。でも、本人にとって楽しく。

そして、伸びる子は聞きポイントを自然と心得ている子が多いです。

説明の全てを書き取るのではなく、自分なりにわかりやすく必要なことだけを書き留めている。また、しっかり聞いているのでこちらネイティブの口ぐせも良く知っている。それをよく模写しています。発音の仕方からイントネーションまで。

全ては本人の興味と、小さい頃からの訓練なんだろうなと思います。



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