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魑魅魍魎が跳梁跋扈する世界線

誰もが、当たり前のように自分の世界を生きている。その世界は平和なのか、はたまた心穏やかではないのかはその人の生き様等によって異なるのは自明のこと。

ぼくはと言うと、お陰様で非常に穏やかな世界を生きている。同世代の周りの人よりも収入は多いし、家族もいる。不動産も幾つか持っている。特にこれと言って不満もない世界。平和である。

しかし、そんなぼくがアナザーワールドへの扉を叩いたことがある。





オープ○チャット



である。




趣味や年代、考え方、居住地など、共通のものをもとに、不特定多数の匿名の者たちが集う場所。表向きには出会いは禁止、LINEのQRコードを晒した瞬間に運営により即刻BANされる。あくまでも「チャット上のバーチャル空間にて匿名性を守りつつ会話を楽しむ」というもの。



趣味や年代など、リアルの世界で物理的に離れてる者同士が集う場所は「本来の趣旨通り」会話が進むので、表面上のやり取りが目立つ。

だがその一方で、居住地が共通の者達によるチャット。これは「本来の趣旨通り」に事が運ばないことも多々ある。リアルの世界で近いからであろう、個々人のより深い領域まで会話が及ぶことも、喧嘩も諍いもある。幸か不幸か、ぼくが入ったチャットは「BANする権限を所持する管理人」が全く機能していない、いわば無法地帯のチャットであった。



そもそも、何故、平和な世界を生きていたぼくがチャットに入ろうとしたのか。

それは、転職直後で友達が全くいなかったから。転職した後の自分の正当性を示す場がほしかったから。

このような、いわば構ってちゃん的なノリでアナザーワールドの扉を叩いたのだ。




話を戻そう。

無法地帯のチャット。そこは、これまでの人生で到底出会うことがなかった方々の集いだった。彼らの具体的な特徴を挙げてしまうと差別に繋がる恐れがあるので割愛するが、生活保護受給者がおり、その人がメンバーの中でもかなりまともな話をしているレベルと言えばイメージは湧くであろうか。



本当に衝撃を受けた。
少しでもいい生活をしている話(ユニクロの服を着ている等)をすると「マウントだ!」と袋叩きにされる。管理人は機能していないから誰もBANできない。出会いも横行しており、オフ会が定期的に開催される。

現に、ぼくのリアルの友人にそのチャットを教えて友人は参加したが、参加翌日にメンバーの1人とセ○クスしていた。

とにかく無法地帯なのである。



魑魅魍魎が跳梁跋扈する

この言葉は辞書の中でしか見たことなかった。リアルの世界で発することなんて一生ないと思っていた。
しかし、まさにこの混沌な世界に名前を付すとすればまさにこの表現がぴったりであった。


何が言いたいか。

リアルの世界で平和を享受しているような人は無縁の世界が意外と身近にある。皆様は平和な世界が如何に幸せであるか、しっかり噛み締める必要がある。
それと同時にバーチャルとは言え、驚くべき世界もある。怖いもの見たさに覗くのは「アリ」だとは思うが、のめり込むのはあまりお勧めできない。

メンバーに垣間見える幾許かの不安を読み取りつつ、今宵もユニクロの服に身を纏い眠りについていく。



(了)


#一歩踏みだした先に

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