二時間だけのバカンス

宇多田ヒカル様の全国ツアー「Laughter in the Dark 2018」大阪公演に夫婦で行ってきた。

(私が彼女のデビュー当時からのファンであることはこちらの記事に詳しく書きました)
(以降、一部ネタバレに近い記述もありますので、これから観に行く方、ソフト化を待つという方は十分ご注意ください!)

長い道のりだった。
デジタルチケットの顔認証システムのための写真を夫と撮り合っては、背景が暗いとかピンボケしてるとかで何度も弾かれながらも申し込んだ最新アルバム「初恋」購入者の先行受付では、あっけなく落選した。
こんな私らの馬鹿面を登録したところで、どうせ当たるわけないと思っていたから、その時はまあそんなもんだよなと受け流したけど、録画していた「プロフェッショナル 仕事の流儀 宇多田ヒカルスペシャル」を見て、やっぱりどうしても生のヒカルちゃんを観たいという気持ちが強くなった。
一般受付がスタートしたのは私も夫も仕事が忙しかった時期で、受付終了二日前くらいに滑り込みで申し込んだ。顔写真は先行の時と同じデータを使えたので楽だった。
当選のメールが来た時、パートの帰り道でスマホを握りしめた手がガタガタ震えて仕方がなかった。奇跡としか言いようがない。一生分の運を32歳にして使い果たしてしまった。

ライブ当日はあいにくの雨。開演2時間前に大阪城ホールに着いて、物販ブースで事前予約していたツアーグッズを受け取り、公衆トイレでTシャツに着替えて、フォトスポットで記念撮影していると、入場の待機列がどんどん伸びてきたので急いで並んだ。
例の顔認証システムのお陰で入場はかなりスムーズだった。さすが、某大手メーカーがこのツアーの開催に合わせて開発しただけある。
当たったのは立見のチケットで、最後列の座席に備え付けられた手すりの後ろで立つ形ではあったが、整理番号がかなり若い数字だったので良いポジションを確保できた。
この日のためにネットで買ったオペラグラスのピントを丁寧に合わせながら、その時を待った。

開演予定時刻を若干オーバーして、大阪城ホールは大歓声に包まれた。

20年間ずっと私のそばにあった、吸い込まれるようなあの歌声が響き渡る。
過去のヒット曲と復帰後の新曲がバランスよく混ざり合ったプログラムで、ダンスやラップ、ショートムービーでも沸かせた。
とにかく歌唱力が圧倒的で、ライブなのに音の外れが全く気にならなかった。声量があるほうではないと思うけれど、聴衆を惹きつけるオーラがすごい。
しかし、合間のMCは打って変わって、少女のような口調で語りかける。往年の音楽番組でのあどけないトークをご存知の方も多いだろう。本当に不思議でかわいらしい人なのだ。

クライマックスで、ヒカルちゃんはたくさん間を取りながら、一言一言噛みしめるようにこう話した。

「私20年やってきて、ツアーはたった3回って、少ないよね(笑)ファンサービスとかもあまりしないのに、どこへ行ってもみんなあたたかく迎えてくれて、嬉しいです。こんな私だけど、20年間応援してくれてありがとう」
※うろ覚えですが大体こんな感じでした

これを聞いた瞬間私は感極まって泣いてしまった(正確には、ライブ中ほぼ泣いてたんだけど)。いつもはクールな夫も涙ぐんでいて、周りからもあちこち鼻をすする音が聞こえた。
テレビに出ないのもライブを滅多にやらないのも、百も承知だ。自らの意思で芸能界から一旦離れて、プライベートで大変なこともあって、それでもまた表現者としてやっていこうと決めてここに立ってくれているだけで、我々は充分幸せなのだから。何をおっしゃいますやら。

ツアー日程も折り返し地点で疲れが出たのか、アンコールではある曲の歌詞が飛んでしまうハプニング(!)もあったが、照れ笑いをする姿もとてもチャーミングだったし、最後、舞台袖に捌けていく時には楽しそうに投げキッスまでしてくれた。

20年間J-POPのトップを走り続けて、なお衰えを知らない彼女の生き様をとくと見せつけられた二時間だった。
ヒカルパイセン、これからも一生ついていきます!!!!!

最後に、このライブはなんとフラッシュ無しであれば撮影が許可されていた(TwitterにもYouTubeにも動画がバカスカ上がっている…良いか悪いかは別として)。
中盤、ピンスポを浴びて歌う姿がまるで女神様に後光が差しているようだったので、その画像だけ私も記念に貼っておきます。

ってか、この画像だとヒカルちゃんかどうか全然わからないですね…誠に申し訳ございません!神々しさだけでも伝われ〜〜〜

#宇多田ヒカル
#LaughterintheDarkTour2018
#熟成下書き

この記事が参加している募集

#熟成下書き

10,590件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?