人生最後の後悔とは?

ビートたけしはこう書いている。

「死というものの凄さ、自分の人生振り返って
何をしたとか、何をしてないとか、全然関係ない
ビタ一文かすんない」

これはどんな心境なのか、飛行機に喩えてみると
生まれたときが飛び立った飛行機。
快適な空の旅、過ごし方はいろいろ。

どんな雑誌を持って座るか?
座席にもテレビ付き、映画、ゲーム、音楽、ニュースなどが選べる。
ゲームを開いてびっくり。
麻雀、ゴルフ、スーパーマリオ、ストリートファイター

機内食の時間、魚料理、肉料理、どちらにしますか?
飲み物は?オレンジジュース、ウーロン茶、コーヒー
国際線は、ビールもワインも無料。

どんな娯楽で遊び、何を食べ、何を飲むか、
いかに飛行機の中を楽しむか、
この充実は、快適な空の旅を送るのに、大変重要。

だから、隣は、ゲームできるのに、自分のものは故障中だったり
隣の席は、90度倒れるのに、自分のだけ、45度だったら、
これは起こるでしょう、もう裁判に訴える、金かえせ、まけろ!
もう必死になる。

トイレにいってのぞいてみると、ビジネスクラス、ファーストクラス。
これはもう、格が違う、うらやましい。

し・か・し…
いよいよ燃料切れる、はて、どこに降りるのか?
降りる所があるのかないのか、ない。
機長から「ゴメン、ツー、ツー」となったら?

これはもう、ただごとでない。
隣の人の席は余計倒れるとか、機内食マズイとか
自分の席だけ、ゲームできないぞ、とかそんなことは
「もう全然関係ない」

今の不安、というかパニックの心境には
「ビタ一文かすんない」

人間なら、いよいよ「死ぬ」最後
そうなったとき、人生振り返って何をしたとかしていないとか
もう全然関係ない。

ちょうど、ただならもっと、ビール飲んでおけばよかった
ああ、あのチャンネルだけ、聞きそびれた
あの映画ちょっと途中で寝ちゃった、そんなことと
もう全然関係ない。

ただ「ドン」とくる。

タイタニック、20世紀で一番感動した映画でベスト1に選ばれた。
(2位はニューシネマ・パラダイス)
沈み行く船で、パニックが起きないようにバイオリンをひいている、しかし誰も聞いていない。
いよいよとなったら、一時的な気休めでは通用しない。

「人生今しかできないこと、
スポーツしないと…音楽しないと…
やらなかったら後悔する」
そんな人も少なくないが、たけしの言葉を借りれば
「何をしたとか、していないとか、全然関係ない」

人間には、やりたいことは一杯あるが、やらねばならないことがある
本当に「やらなかったら後悔する」もの、は何か。

それはまず、安全な飛行場の確保、
いつ燃料が切れても安全に降りることのできる着陸地をハッキリさせてこそ
心から、快適な空の旅を楽しめる。


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