私と彼のこと(387)-防ぎ得る事故を防ぐ-

今回は、直接には「私と彼のこと」ではない。
でも、彼はいずれ保育所等(幼稚園・こども園)や小学校には当然通わなければならない。
彼を含む全ての子どもたちが、大人の適切な配慮さえあれば避けられる危険に晒されることの無いように、私見を述べておきたい。

今回の記事を書こうと思った直接にきっかけは、もちろん福岡県中間市の双葉保育園で発生した死亡事故だ。
これまでの報道で私が知り得た範囲内で、施設側の重大な落ち度(それらが重ならなければ死亡事故には至らなかった、と考えられる要因)は以下の通りだ。

A.乗車人数・降車人数を突合していない
B.降車後の点検を行っていない
C.運転者(園長)から担任への引継ぎを行っていない
D.欠席時連絡の有無を確認していない

送迎バスを園長一人で運行している点や、保育中にも出欠席確認や点呼を行っていない点にも疑問は禁じ得ないが、それらは「死亡事故に至ることを防ぎ得たか」という観点では影響の小さな要因だと判断して、今は別枠と考えることにする。

有名な「スイスチーズ(穴あきチーズ)モデル」に当てはめれば、今回の事故は少なくとも4つの防護壁をすり抜けてしまっている。
乗降人数を突合していれば(A)、あるいは降車後に車内を点検していれば(B)、間違いなく園児を取り残してしまっていたことに気づけた。
また、運転者(園長)から担任への引継ぎを行っていれば(C)、運転者(園長)自身が、乗車したはずの園児が降車していない可能性に気づけた可能性は高い。
そして、欠席連絡のない園児の保護者に確認を取っていれば(D)、担任が欠席と思い込むことはなかったはずだ。

これらA~Dは結果(今回の場合は死亡事故)に直接の影響を与えた「原因」だが、実はそれ以外にも、結果に間接的に影響与えた多くの「要因」があるはず。
そこは、報道により施設の運営実態等が詳らかになって以降に、引き続き考察したい。

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