「自分と違う意見を理解するのは大変だって話」

Twitterを見ていると時折、思いもしない事柄が取り上げられることがある。11月14日、東洋水産の「マルちゃん正麺」公式アカウントが投稿した漫画をめぐってTwitter上で議論が起きた。参照記事は「ねとらぼ」から。

内容は「父親が、不在の母親の代わりにラーメンを作り、子供と食べる」というもの。最後に夫婦が昼食に使った皿を洗う夜の一場面で終わる。

この最後のコマに対してついた否定的なコメントが話題となった。

 「昼食に使った皿を夫が片づけていない」

 「帰宅した妻に家事をさせている」

一部の批判的なコメントにより、同アカウントは漫画の続編の掲載について精査中であると答えた。しかしその後、漫画に好意的な見方をする人の意見も多く寄せられ、いわば「クレーム」を否定する意見や、アカウントを擁護するコメントも多く見られた。

さて、こういった意見の相違についてしっかり考えるのは、大変面倒くさい。なぜなら人は、基本的に自分の好きな意見に同意する傾向があるからだ。当然だろう。そして同時に、批判的な意見を理解することを嫌がる。これまた当然だろう。

私はこのニュースを見た時、否定派は少しひねくれ過ぎではないかと感じた。そう思うと、その反対意見についてそれ以上考える気がおきないのだ。

とはいえ、幾つかの点を覚えておきたい。

 1.「人は誰しも間違った意見を言うことがある」

 2.「否定的な意見にも、背景がある」

 3.「自分の考えが、人と合わないこともある」


1.「人は誰しも間違った意見を言うことがある」

誰しも自分の意見を持っている。十人十色という言葉があるようにそれぞれに違う考えを持っていることもあるだろう。理想は誰もが正しい考えを持ち、述べることだ。

しかしそれは現実的ではない。残念ながら私たちは、間違った意見を述べてしまうことがあると認めなければならない。10代の頃は自分の考えを正しいと疑わなかったかもしれないが、歳月が経つとそれを思い出して恥ずかしくなる。

であるなら、誰もが間違った意見を述べる可能性があるので、そんな意見を見た時には、きっと将来後悔するんだろうと心で思っておくのがいい。人は様々な考えに触れ、自分の考えを正しいと思う方向へ調整していかなければならないのだ。


2.「否定的な意見にも、背景がある」

今回の漫画に対して否定的な意見を述べた人中には、自身が妻の立場である人がいた。その人たちの考えとしては、疲れている状況で帰宅して、汚れた台所を見ることはストレスになるということだ。

恐らくこれまでそういう経験をしたのだろう。漫画やドラマの中でくらい自分の分身を楽させてあげたいのかもしれない。普段のストレスがこういう形で爆発したのであれば、そこには同情の余地があるかもしれない。

人はイライラしている時ほど、言葉が強くなり、また自分の意に沿わないことにストレスを感じる。もしかするとそういった背景があるかもしれないと考えるならこちらのイライラは多少軽減されるだろう。


3.「自分の考えが、人と合わないこともある」

できるなら全ての人と仲良くなりたいと思う。しかし実際のところそれは難しい。どうしてもダメな場合は一度諦めるのが得策だ。それぞれの意見はお互いの信念として尊重はするが融和はしないものとして扱うしかない。考え方がさっぱり合わない場合、Twitterのフォローをそっと外せばいい。

ただ誹謗中傷やクレームという形での主張は、根本の目的が異なるので避けるべきだ。それはただの攻撃であり、相手に理解してもらう気がない方法だ。たとえ議論になったとしても、関係のない攻撃で相手の人格を否定しないようにしたい。


さて、意見の相違を解決する際、考えるべき点はまだまだある。とはいえ、こういったこと考え始めると堂々巡りとなってどこにも着地できなくなる。そういうことを考えるのが好きな人は続けて頂いたら良いと思うが、私はもう飽きた。キメハラ問題についても書きたかったが結局同じような話になるので、もうやめた。

漫画に関する私の意見はというと、皆興味がないと思うが、私自身もどうでもいいと思っている。登場する夫婦間で、家事について合意できているのであればそれでいいと思うし、一昔前のようなスタンダードなど今の時代存在しないので、誰かが望むスタンダードしか描くことはできないだろう。

そうなると書き手というより受け手の側の問題なのでどうしようもない。

いっそのこと、スタンダードを捨ててそうなったらいいなという理想の中でほのぼのとした漫画を描くのはどうだろう。忙しい生活の中に突然、役所広司が現れて、マルちゃん正麺を作ってくれる。ついでに皿洗いも役所広司がやってくれる。そしてハッピーエンド。そんな家政婦、役所広司を見てみたいが、最近そんなドラマを見た気もする…。


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