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虫に愛された男と・・・

だんだん気温が高くなってきて、動きやすい季節になってきました。

てことは、ほかの動物たちも同様なわけで。



ぶちょおの家は人が多い。

同居人数を話すと「シェアハウスですか?」と聞かれるが、一応家族だ。

誤解しそうな表現。

一応じゃなくて家族。

ちゃんと戸籍上の家族。
(父・母・弟・弟の嫁さん・そのこどもたち)

加えて猫が2匹。

今回は、この猫がキッカケで起きた話。


わが家の猫2匹は、猫というカテゴリーこそおなじものの、性格・性質は真反対。

そうだなぁ。

身体能力だけで比較しても、ウサインボルトと一般人くらいちがう。
(以下、身体能力が高いほうの猫をボルト、そこそこの猫を一般人と表記する)


この日、ボルトがぶちょおのベットにある寝袋で寝ていた。

ぶちょおのベットはハシゴに登らないと到達できないタイプなので、猫とてどこかを経由しないと登れない。

そこへ一般人がぶちょおの部屋の前で立ち止まり、いつもとはちがう雰囲気をかもし出していた。

まさか・・・


この感じは「虫」を発見したときの動作なのだ。

ぶちょおはとてつもなく虫が苦手。

気温が高くなってくると、この問題が起きるのでほんとに困る。

しかもボルトは虫に興味がないため、近くにいてもあまり反応しない。

でも一般人が見上げているのは、ボルトがいるほうなのだ。
(ちなみにボルトの興味は、綿棒とビー玉。一般人は虫と鳥)


おそるおそる天井あたりを確認してみるも、何も見えない。

睡眠中にカサカサしたらたまったものではないので、なんとか正体を突き止めたいと思うが、何もいないのだ。

今思えば、高いところに登りたい一般人が、ボルトの気配を感じて見上げていただけなのかもしれないが、このときは「虫」だと思い込んでいたため、ぶちょおはムダに騒いでしまった。

すると、弟の嫁さんが突然、
「おねぇさん、聞いてください」と切り出した。

嫁さん切り出したのはいいが、ツボったのか話が始まらない。


そこで弟が実演を始めた。


俺、寝てるときに二の腕をクワガタに噛まれた

超こわい。

何それ。

嫁さんがヒーヒー言って涙ぐんでいる。

するとそのときのことがよみがえったのか、さらに興奮した弟は、



右足の中指が攣ってヒーヒー言い始めた。


おつかれさまです


てか、ますますこわい。

そんなことはないとは思うけど、もしも一般人が反応していたのがクワガタだとしたら、ひとごとではない話になる。


ところが、また何かを思い出したらしい弟。

足の中指が攣りながらも、話がつづく。



とある公園で、同僚と話していたときのこと。

突然同僚が目を見開いて、弟の肩を指差し口をパクパクし始めた。

弟はそっと自分の肩を見るが、黒い物体が見えるだけで「何か」がわからない。

ガッツリ見えているはずの同僚も「何か」は答えてくれない。

大の男2人が、公園のなかを走り始めた。

ギャーギャー言いながら。



その場にいたかどうかわからない子どもたちよ。すまない。
(そこまで聞けなかった。白熱の独り劇場だったから)

もしいたらこわかったと思う。

大人はよっぽどなことがない限り、全力で走れないものなんだ。

緊急事態だったんだよ。


「何か」を振り落とそうと走りまくり、着ていたシャツをつまんでピンピンするも黒い物体が消えない。

ところが、大人の本気に観念したのか、いつのまにかいなくなっていたそうな。

あらためて弟が同僚にたずねる。

「何が乗ってた?」




わかんない


すごいこわいんだけど。

わからないものって、なんでこんなにこわいんだろう。


「で、なんだと思うの?」って一応本人の予想を聞いてみたの。

そしたら、



タランチュラ


ちがうでしょよ。



もうさ、弟の全力劇場を見てたら、一般人が「何に」対して反応してるのか「わからなくてもいっか」ってなった。

恐怖が少しやわらいだところで、


でもさ、(嫁さん)自転車でカマキリと並走したことがあるんだぜ

なんだよ、それ。

でもさ、ってなんだよ。

どういうことなの。

聞けば、カマキリが両腕を上げて(つまりカマを振り上げた状態)走っていた、と。

ただ、疑問もある。

「速度は?」


「並走してたんで、同じ速度だったはずです」


そういうことあるのかもしれない。

その昔、ダウンタウンDXの「視聴者は見た」のコーナーで、タレントの清水ミチコさんがゲストだったときのこと。

タレコミによると、

ミッちゃんが自転車に乗っているところを見かけたのですが、肩にカラスを乗せていました


地球は人間だけのものじゃないよね。

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