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ファンを作る力

半年前、姉妹店の『大衆酒場しんさく』が人員不足になり、ぶちバルで働いてるNo2を派遣した。すると後日、しんさくの店長西田が「◯◯さんが来てくれたら楽なんですよね」としきりに言っていた。もちろん現場を回せる回せないもあるが、常連さんのフォローの部分でも助かったのだろう。
彼女は店長が不在の時でも、固定客の相手ができる。なおかつ新しい固定客も作ることができる。

飲食店の人間として必須な力は『自分で固定客を作れる』こと。
そして副店長クラスともなればそれだけではダメで、『他人の固定客のフォロー』ができないと話にならない。
うちの副店長クラスはその力が弱い。ぶちバルのNo2はその力があるので、西田は楽できたのだろう。
この力、もっと広い定義で言うと、『ファンを作る力』である。『コミュニケーション能力』とも言える。
飲食店をやっていると、その力を持ったスタッフは意外と簡単にわかる。

数店舗規模の個人店だと直接お客さんから情報が入ってくる。
「◯◯にいる◯◯さんからこの前良くしてもらって・・・」
「◯◯にいる◯◯さん接客すごいよね」
「◯◯にいる◯◯さんにいつもよくしてもらってます」
みたいな感じで、個人店に近い数店舗レベルなら経営者の耳に直接常連さんや知り合いから情報が入ってくるものだ。
だから上に上げるべき人間はわかりやすい。一般社員だろうが、副店長クラスだろうが、名前を耳にする人間をトップに置けば間違いない。
『名前を覚えられる』と言う点が大切なのだ。
うちで今店長をやっている仙ちゃんもそうで、2年前くらいから仙ちゃんの名前をお客さんからよく聞くようになった。そのタイミングで店長に任命した。結果ぶちえらいは順調な売上をあげている。

大きな会社では話が違う。お客様や知り合いから情報が入ってくることはほぼない。だが、会社の部下から情報が入ってくるものだ。
「最近◯◯店の◯◯ってやつがすごいんですよね」
「◯◯店の◯◯、面白いんですよ」
「〇〇店の〇〇ってまだ副店長なんですね・・・」
などど勝手に名前が耳に入ってくる。
これは、情報を流してくる部下がその子のファンになっているとも言える。そう言った子を上にあげると間違いなく会社は勢いがつくものだ。
だって、シンプルに部下が自分のファンで自分のこと好きだったら仕事もやりやすいからですからね。

ではこの力。どうやって身につけるのか???

それは目の前の仕事を頑張るしかない。

人は頑張ってる人間を応援したい。
人は頑張ってる人間の名前を覚えたい。
そう言う生き物なのだ。

例えば最近で言うとサッカーのワールドカップ日本代表。
なんでみんな彼らを応援するのだろう?
なんでみんな彼らの名前を覚えるのだろう?
それは彼らが頑張って努力してるからに他ならない。

それは飲食店も一緒だし、接客業全般に言えることでもある。
きつい言い方すると、常連さんに名前を覚えてもらってない飲食人は力がないと思った方がいい。
名前を覚えてくれている固定客が10人以下だったら実力がないと思った方がいい。
アルバイトだったらまだしも、社員レベルでそれだったら努力が必要である。


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