マジで時間がないときに、ちゃちゃっと文章をよくするワザその1

今日中にDM作らなきゃ! 記事書けって言われたけど、なんか小学校の作文みたい! 読みにくいのをなんとかしたい!!
ちゃちゃっと文章をいい感じにできないの!?

そんなときに省力でいい感じにできる小技を集めました。

「することができる」「そういった形」「など」系のヤツを破壊

○○することができる。

○○できる/○○が可能です。

「〇〇する」だけ、または「○○できる」だけで十分な場合がほとんど。これが続くと、無駄に引き伸ばされているように感じます。

〜そういった部分/〜という形で〜/〜というものは〜/〜というところが〜

(できるだけ削除)

朝礼とか懇親会とかで、偉い人の挨拶を聞いてみよう。部長・社長とか、話術のプロじゃないけど比較的人前で話す機会が多い人だとなおヨシ!
死ぬほど「部分/形/もの/ところ」みたいな、意味を成していない語が出てくるぞ。
自分が話しているときや聞いているときは気にならないけど、文章では邪魔なので破壊しよう。

など、とか、思う、思われる、感じる、感じられる

(正しい数値、または言い切りに。言い切れないなら削除も検討)

怖くて言い切れない、または法的な問題に配慮するなど、さまざまな理由で濁した表現をしたくなります。
↑すでに上の文章で、「など」「さまざま」を使って濁してしまっていますね。便利なので。
ですが数値的な事実を伝えたいときは濁さないほうがいいです。「など」を多様された文章は、全体的に芯がないボンヤリした読後感になり、内容を忘れられちゃいます。
また、文中で示した事柄以外の例外がある可能性を示すと、読み手は例外を探し始めてしまい、伝えたいことがボヤけてしまいます。
(※ウソや根拠がない数値を言い切ってしまうのはダメですよ! 事実確認は必須です!)

とにかく、冗長・曖昧・意味をもたない修飾表現や可能表現は、見つけ次第破壊しましょう。

特別な言葉はなるべく使わない

ファクトチェックはマスト!

事実確認は必須です!

業界用語・専門用語やベンチャー界隈が好んで使う横文字は、なるべく避けましょう。略語であるCVR/CPR/CTA/CPC/ROI/MUU……全部、わかりやすい日本語があるよ!
たしかに専門用語は対面コミュニケーションにおいては、思考速度と会話速度の差を埋めるために便利です。
が、目で追いながら読み進める速度と脳内の理解速度にそれほど差はありません。会話と違って、文章を読むという行為は理解しながら進めることができます。受け手の脳に負担をかけて無理やり情報密度を上げている専門用語を、あえて文章で使う必要はありません。

普通の言葉でやりとりしていれば、「MTG入れておきました」って、なに仕事中にマジック:ザ・ギャザリングやろうとしてんだ! 対戦よろしくお願いします! ……みたいな誤解も生まれません。
通じないだけならまだマシで、略語や特殊な用語は、実は業界をまたぐと別の意味をもっていたりして誤解の元になるのです。

さらにやっかいなのが、自分や仲間内だけで通じる造語や「既存の言葉を独自の意味にしているヤツ」です。
私は度々やってしまいます。当ページにもよく登場する「破壊しよう」という言葉は、「削除しよう/代替の言葉で置き換えよう」という意味です。
「情報密度」とかね、なに勝手に言葉を作ってるんだ、という感じですね。

言葉は辞書通りの意味で使うか、難しい言葉は簡単な言葉に言い換えましょう。背伸びした小学4年生に伝わるくらい、せめて中学2年生には伝わるくらいの気持ちで書くと、誤解されることが少なくなります。

逆説や反語や嫌味はやめる

もし○○だったらどう思いますか?

○○ではありません。

素直にいきましょう。○○であることがあろうか。いや、ない。
みたいな文章は、ダメです(直球)。

理由は2つあります。
一つは、読者に投げっぱなしになるので不親切であるということ。伝えることが目的の文章なら、相手に負担をかけて考えさせるのは良くないです。
そしてもう一つの理由は、書き手が望む答えを、読者が導いてくれるとは限らないから、です。
読者、めっちゃ誤解するし誤読します。
最初に逆説から書き始めたら、結論まで読み切る前に「書き手が否定したかった、逆のほうの話」を先に信じちゃいます。
考えさせようと結論を丸投げにしたら、勝手にすごい妄想をして、好きなように結論を導いちゃいます。

読者が悪いかどうか、という話ではありません。誤解と誤読の余地を減らせば、それだけ伝えたいことが伝わる可能性が高い、というお話です。

言葉のつながり、句切れをハッキリさせる

今年間一万人の観光客が〜
今日比谷にいて〜

今、年間1万人の観光客が〜
今は日比谷にいて〜

外出るときに〜

外に出るときに〜/そと出るときに〜

ハロウィンで幽霊化粧をした。

ハロウィンで幽霊の化粧をした。

おそらくもっている。

お空、曇っている/おそらく、持っている。

人は文字を「塊」で認識しており、つながりによっては別の塊に受け取ってしまうことがあります。
(ぎなた語、なんていい方もされます。)
ひらがなの場合はそれが起こりやすいので、言葉の並び順や読点(、)に工夫しましょう。

漢字を使うことで「言葉の塊」の誤解を防ぐことができますが、まれに誤解しやすくなる漢字もあるので注意が必要です。

例えば、「今(いま)」には、「今日(きょう)」「今年(ことし)」「今朝(けさ)」など、さまざまな読み方があります。

例文に挙げたような「今年間一万人の観光客が〜」という文章を見たとき、「今年〜」まで見えた時点で、脳内で「ことし〜」と、音読を始めてしまいます。
まさか、「いま、ねんかん いちまんにんの〜」と続くとは思っていないので、「今年」のあとに「間」が来ると「ことし……かん? あいだ? ことしあいだ?? ことしかん???」となって、混乱して読む目が止まってしまいます。
話し言葉っぽく書く場合に起こりやすいので、どこが言葉の区切れか、塊を誤解されることはないか、という視点で一度読み直してみましょう。

言葉が足りなくて伝わらないことも恐れよう

10キロすぎに仕掛け、一気に2位になったアメリカのA選手を突き放す

上記の例文は、おそらくスポーツの一幕でしょう。何が起こっているかわかりますか?
正解は、「B選手が10キロすぎに圧倒的1位になった」です。

10キロすぎに仕掛け、一気に2位になったアメリカのA選手を突き放す

アメリカのA選手は一気に2位に躍り出ていた。1位のB選手との距離も縮まってきたが、10キロすぎでB選手が仕掛ける。2位のA選手を突き放し、両者はもはや追いつくことが考えられない差となってしまった。

ウソです。
正解は、「B選手が10キロすぎに2位になった」です。

10キロすぎに仕掛け、一気に2位になったアメリカのA選手を突き放す

B選手は10キロすぎに仕掛けた。アメリカのA選手は一気に2位に躍り出ていたが、そんなA選手にB選手が迫る。二者の距離はグングン縮まっていき、ついにB選手がA選手を追い抜いた。勢いもそのままに、B選手はA選手を突き放して差を広げていく。

文章は少なく、完結にまとまっていたほうが良いです。特に紙媒体で書いていたときは、文字数制限があるので文字数を削らなければならないことがよくありました。ですがうまく削ることができず、伝えたい情報が伝わらなかったら、文章としての価値は下がってしまっています。

文脈のなかで、削ったほうがいい言葉、残したほうがいい言葉、残してもいい言葉、残さなければいけない言葉があります。
上記の例文では、重要な言葉を削ってしまったため、まったく異なる意味に伝わってしまう可能性があります。
文章には「これを削ったら、伝わる人が一気に5割くらい減っちゃう」みたいな言葉があります。重要な言葉を誤って削ってしまうくらいなら、伝わるほうに重きをおいた判断をするのも手です。

数値が大事なら数字、慣用句なら漢数字を使う

一万人の観光客〜

1万人の観光客〜
1期1会
1石2鳥

一期一会
一石二鳥

数字は半角アラビア数字を使ったほうがわかりやすいです。慣用句や決まった言い回しのときなど、特別な場合だけ漢数字を使うようにしましょう。

私の場合、例えば「一番」というとき「これが最高!」という意味なら漢数字で「一番」とします。ですが、2番/3番/4番……と後に続く、ラベルとしての意味であれば、アラビア数字の「1番」と使います。
そのときに伝えたい言葉の意味が、数値が重要なのか、それとも慣例的に使われている言葉なのかで書き分けると、読み手が混乱しないでしょう。

まだまだあるけど、ひとまずここまで!

少しを気をつけるだけで、グッといい感じになるテクニックをお伝えしました。
いくらでも出てきますが、続きはまた今度!
急いでいる人の文章を少しでも良くできていたら、幸いです。

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

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