【文章力アップ】並にする/改善する/味を出す。編集の細分化で段階的にうまくなる。

文章をより良くするためには、一度書いた文章に手を入れ、少しでもいいので「編集」するのがオススメ。
このページでは、文章を編集する際、私が気をつけてることをお伝えします。

編集項目は一つに絞る

生まれた姿そのままの未編集文章は、読みにくく内容が伝わらないことがほとんど。つまり、大きなマイナス要素を抱えています。

たった一回手を加えるだけで、いきなり大きなマイナスをプラスに変えるのは難しいでしょう。そこで私は、編集を下記のような項目に分けて考えています。
・マイナスを0にする→読みにくさをなくす=並(程度の文章)にする
・0をプラスにする→情報や伝え方の質を上げる=改善する
・マイナスをプラスにする→クセを味方にする=味を出す

編集するということは基本的に、これらを各段階で丁寧にやっていきましょう、ということだと思います。

すべて並列でやろうとすると、脳が混乱してしまうし、一つひとつの精度が落ちてしまいます。
今、自分がやっているのはどの項目なのか。どうなったら編集完了なのか。それらを決め、互いに干渉しないように編集をしています。

マイナスを0にする→読みにくさをなくす=並にする

どんなに優れた意見も、熱い想いも、「読んでもらえる文章水準」を満たしていなければ、当然ながら読まれることはありません。
最強の選手でも試合に出場しなければ優勝できないし、美味しい料理も食卓に並ばなければ食べてもらえません。
ここでは最低限、単純な誤字脱字はないかをチェックします。

いきなり最高の表現や技工を使う必要はありません。読者がよく目にするであろう、「並程度」の文章にしましょう、という段階です。

可能であれば前後の文章のつながりや、誤解されないか、誤読可能性はないかを確認し、必要に応じて修正します。
文章全体を流しで読み切る「素読み」もここに入ると思います。つっかえてしまったり、違和感があるようなら、それは修正すべき点が残っているということです。

個人的な話ですが、この工程がもっとも重要だと感じています。
熱量はあるけど、読みにくかったりクセが強すぎる文章というのは、私自身がそもそも読む気にならないからです。
最低限、大きなマイナスがない状態になって初めて、読者の「まぁ、読んでやるか。」という選択肢の卓に並べてもらえるのだ、と思います。

0をプラスにする→情報や伝え方の質を上げる=改善する

マイナスの状態から最低限、違和感なく読める状態になったところで編集を終わりにしてもかまいません。
ここから先は、余力がある人向けです。

読んでもらえるというのは、それだけで奇跡に近い、大変ありがたいことです。読んでもらえることをゴールに編集することは、とても大事。
でもどうせなら、読者には楽しく読んでもらいたい、とも思います。

この項目まで進んだら、構成を工夫して図や表を取り入れたり、適切な例の調査を行ったり、構成の練り直しを行ったりします。

ちゃんと伝わったか?
ターゲット層の想定に間違いはないか?
使っている文体や用語の度合いは合っているか?
この項目だけでめちゃめちゃ長くなってしまうので、詳しくは別の機会にお伝えします。

とにかく大事なのは、読んでくれた人がどう思うか? 読んだあとに、良かったな。と思ってくれそうか? という視点です。

マイナスをプラスにする→クセを味方にする=味を出す

「マイナスをいきなりプラスにはできない」という前言と矛盾してしまいますが、ここで行うのは少し特殊なことです。

強すぎるクセは読み手を邪魔します。ですが、適度なクセは書き手の個性を滲み出させ、リズムある読み口は読みやすさにつながります。

理系的な理路整然とした文章、感性豊かで美しく装飾された文章、毒があるけどクスっと笑える文章……いろいろなクセがあります。そして読み手にも、伝えるべきテーマにも、合う合わないがあります。

このように、クセは文章と読み手との「相性」も生んでしまいます。当たり障りない文章では、最高の成果を生んだとしても100点の結果しか出せません。ですが相性があるなら、40点になってしまう可能性も150点になる可能性もあるのです。

例えば私は、「つい話し言葉を入れてしまう」というマイナスの特徴があります。文体が揃っていないと違和感が生まれ、読みにくくなってしまうと教わりました。
が、あえて残す! あえての、口語残し!
そうすることで、より身近で読みやすい文章になると信じています。

また、私は構成にもクセがあり、だいたい毎回似たような文章構成になってしまいます。ですがこれは一つの型として成立しているので、「なんとなく無心で構成案を作ると、そこそこのモノができる」という便利なクセとして活用しています。

まずは自分のクセを知り、可能であれば「自分の味」として利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

・編集は、並にする/改善する/味を出す、という工程に分けられる。
・各工程は一気にやらず、一つづつやろう。
・自分が今、どの工程をやっているかは意識しよう。
・時間がなければ「並にする」だけでもOK。

上記を覚えておき、ちょっと思い出しながら書くだけで、いつもよりいい感じの文章になります。ぜひ、ここぞ! というタイミングで使ってみてください。

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

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