【雑感】有料の大学教員公募関連記事について
公募戦士だった頃、ライバルより少しでも有利になるべく、愚かにも研究する間も惜しんで様々な記事を読み漁っていました。そんな中で「有料記事を買うべきかどうか」という問題に度々直面していました。金がなく、しかも並々でない精神状態の時分には大変深刻な問題です。
月日を経て有難いことに大学に職を得、奇しくも私が記事を書く側になりました。今回は、有料記事に焦点を当て、私が有料記事の値段や内容についてどのように考えているのかを振り返ります。ついでに、大学教員公募関連の有料記事を購入する際に注意すべき点について、思うことを書き殴ります。
大学教員公募というのは、人生を賭けた戦いゆえしばしば異常な精神状態に陥ります。値段の高い記事ほど、「良記事なんじゃないか」「買うべきなんじゃないか」という気持ちになります。購入すること自体や高額記事を批判するつもりは毛頭ありません(そもそも「高額ライン」がどのくらいかという問題がありますし、私は読んでいませんので批判する資格もありません)。ただ、一歩立ち止まって冷静に考えることも必要だと思います。私自身も有料記事を執筆していますので、本記事が特大ブーメランになり得ることも承知の上です。自戒も込めて書きます。
1.私が特定の記事を有料にする理由
私は、記事がどんなに有益なものであっても基本的には無料でよいと考えています。研究費をウン十万とつぎ込んで調査・研究した結果を論文にしても無料で公開されていますので、文章というものについてはそういう感覚です。ただし、記事の中にはその枠からはみ出るものがあります。それは、記事それ自体になんらかのリスクがある場合です。私は、実名・専攻・所属を公開していません。それは、本来外に出回らない情報を記事にしているからです。私が執筆していることは、職場や学界には秘密にしておきたいのです。高度に生々しい情報を含む記事を書いた際には、リスク軽減のため有料にしています。
2.値段の決め方
問題は、どのように値段を決めるかということです。有料記事では「読み手の視点」と「書き手の視点」が交錯します。高額で売れるに越したことはないですが、そうしたエロ心は封印し、読み手の視点に最大限配慮した値段設定にしているつもりです。
前記事でも書きましたが、公募戦士に裕福な人はほとんどいないと理解しています。私は学生時代、ジュースを買うにも迷う生活をしていましたので、それが基準です。人生を賭している大学教員公募という場で、そういった方々がなんとか払うことのできる金額と私が背負うリスクを勘案し、値段を決めています。
私の金銭感覚ではどんなに良記事でも2000円以上の記事を買う気にはなれません。せいぜい1500円くらいです。
このため、私が実際に提出した公募書類や私の採用人事に関わった先生による裏話といった門外不出事項であっても、1000円程にしています。
公募書類の書き方、模擬授業、面接に関することは、すべてひっくるめて500円としました。実際に面接で聞かれたことや模擬授業で工夫した点を記事にしていますのでリスクはありますが、門外不出事項ではありません。より多くの方に参考にしていただきたく、ワンコインにしました。
3.有料記事の購入を検討される方へ
私が執筆した有料記事の購入を考えておられる方、上記の通りですので是非参考にしてください。正直、「スキ」の方が購入よりテンションが上がります。普段書いている論文に「スキ」機能はありませんので(笑)。迷われているのであれば、是非無料の記事を読み流し、私がどのような人間なのかを想像していただければと思います。文章に人柄は出ると思っていますし、嫌いな人間の文章を買い間違えてしまっては後悔を越えて怒りすら沸いてきます。
最後に、大学教員公募に関する他の有料記事の購入を検討されている方にも私なりの助言(お節介)です。この業界の情報は、既に多くの方がご指摘のようにあまり出回っていません。確かに貴重です。ただし、貴重ゆえに金儲けの匂いも立ちこめています。一方、ほとんどの公募戦士には(現職の方を除き)お金の余裕はありません。関心をもたれた有料記事が、そのことを踏まえた値段設定なのかどうか、ビジネスの香りが過度にしないか、冷静に考えてみることが必要かと思います。
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