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ブスと呼ばれて②・・・なまえ

大学の頃、はじめて面と向かって
「ブス!」「デブ!」
と言われた。

でもなぜか、
ぜんぜん悲しくなかったんだ。

言われてもにこにこしている。
こんな言葉言われたら、
普通傷つくでしょう?

その時は何も分かっていなかった。

**

小学校の頃。

よく鼻血を出していた私に
「あいブー」
というニックネームがいつの間にか付いた。

みんな私のことを
あいブーと呼んでくれる。

後輩も、先生も。


あいブーという名前が
とても可愛らしく
気にいっていた。


ブーちゃん、
あいブー、


豚を連想されるようなニックネームに
初めて聞いた人は皆ぎょっとするが


わたしは全然苦じゃなかった。

むしろ、誇らしかった。

ニックネームがあるということは
愛されている象徴なのだから。


お母さんもそう呼び始めた。

ブー


そして、

ブス子ちゃん、と呼んだ。


ブス子?


少しの疑問を残し

それでも私はブス子を受け入れた。


ブス?

お母さんと私は
同じ顔でしょう?
似ているって、言われるでしょう?


私をブスと言うならば
あなたもブスじゃないかしら?


それでも、
ブス子ちゃんと呼ぶ母のトーンからは


蔑んだようには聞こえなかった。


むしろ、

愛をこめて、ブス子ちゃん、と
呼んでいるように聞こえた。



ブス子。


そう呼ばれている子に、
会ったことはないよねぇ。


ブスと呼ばれて悲しまないなんて
おかしいんじゃない?


私のことを困らせたくて
ブス!デブ!
と言っていた男の子は

私がぜんぜん悲しまないから
びっくりしたはずだよね。


悲しまない、

だって私は。


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