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気になる統計 宿泊旅行統計調査(2020年12月・第2次速報、2021年1月・第1次速報)及び(2020年・年間値(速報値))

2021年2月26日に観光庁から「宿泊旅行統計調査(2020年12月・第2次速報、2021年1月・第1次速報)及び(2020年・年間値(速報値))」が公表されました。

まず2020年間をみると全体の延べ宿泊者数は3億480万人泊(前年比-48.9%)でうち日本人延べ宿泊者数は2億8,677万人泊(前年比-40.3%)、外国人延べ宿泊者数は1,803万人泊(前年比-84.4%)となっています。月次推移をグラフ化すると次のとおりです。

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外国人は1月、2月以外は全体数にほとんど影響を与えないくらい減っていることが分かります。国内では4-5月の緊急事態宣言下の全面的自粛の影響が非常に大きいです。そこから急回復するのですが第2波の時に一度停滞し、10-11月は再び大きく回復し、絶対数では2月の水準を超えました。しかし第3波が到来しGo Toトラベルが停止されると8-9月と同程度まで落ち込んだのです。

旅行者数はシーズンによって異なりますので、コロナ禍の影響をみる場合、絶対数でみるより前年同月比をみた方が適切な場合もあります。公表資料にグラフが掲載されているの引用します。

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2021年1月に入ると再び緊急事態宣言が出され、日本人延べ宿泊者数は1,637万人(前年同月比-51.1%)まで落ち込みました。昨年12月の日本人延べ宿泊者数は2,736万人で前年同月比-27.9%だったのでさらに20%以上落ち込んでしまったのです。

次に客室稼働率の状況をみてみます。2020年の概況については公表資料からグラフを引用します。

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全体が落ち込む中でシティホテルの落ち込み方が突出しています。シティホテルはもともと稼働率が高いので落ち込んだ結果の値はリゾートホテルと同程度でも落ち込み方が激しくなっているのです。また旅館などは絶対値ではさらに厳しいものの、もともと観光立国の波に乗れていなかったようです。

月次推移についても公表資料からグラフを引用します。

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本年1月の緊急事態宣言により簡易宿所以外の全ての類型で激しく落ち込んでいますがビジネスホテルは昨年の緊急事態宣言よりも落ち込み方が緩やかです。今回の緊急事態宣言が的を絞ったものになったためビジネス目的の出張等がそこまで減らなかったのでしょう。

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