気になる統計 月別自殺者数（2020年11月末の速報値）

2020年12月10日に警察庁から「月別自殺者数（2020年11月末の速報値）」が公表されました。月次推移をグラフ化すると次のとおりです。

急増した先月から大きく減少して、増加が始まった7月より総数が低下しています。次に厚生労働省のウェブサイトから近年の状況を引用します。

先月より大幅に低下したとはいえ、直近5か年では平成27年（2015年）に次いで高くなっているので失業率上昇の影響は続いているのでしょう。ここで直近5年の完全失業率をみてみます。

失業率と自殺者数とには、強い相関があることが知られています。「労働力調査（基本集計） 2020年（令和2年）10月分結果」によれば2020年10月時点の完全失業率は3.1%であり2016年と同水準になっています。以前「気になる統計 月別自殺者数（令和2年9月速報）」に書いたとおり、今年は緊急事態宣言の影響により例年とは自殺のピークの形が大きく変わって後ろ倒しされた可能性があります。そう考えると先月の急増はいろいろな影響のしわ寄せが一気にきたというところだったのでしょうか。他方、今月は例年に近い形になってきているということかもしれません。