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気になる統計 月別自殺者数(2020年10月末の速報値)

2020年11月10日に警察庁から10月の月別自殺者数速報値が公表されました。10月中の自殺者数(速報値)は2,153人で前月から急増しています。特に女性の自殺者数の増加が著しいです。1月からの動きをグラフ化すると次のとおりとなります。

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厚生労働省のウェブサイトから同省がまとめている近年の傾向を引用します。

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10月としては直近5年のどの年よりも多くなっています。また直近5年で今月よりも多かったのは平成27年の3月と5月だけです。

今年は7月から急増していて特に女性の増加が著しいことからネットやマスコミではコロナ禍による女性の失業率の上昇とからめて注目されることが多く、私としては先月は例年の5月のピークの後ろ倒しや他の複合要因もあるのではないかという記事を書いていました。

しかしながら10月の急伸はピークの後ろ倒しや有名若手俳優の自殺の影響といった話では到底説明しきれないものです。統計を見る限り経済の落ち込みのピークは過ぎており9月には女性の失業率も低下(気になる統計 労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果)しているのですが、職を失った非正規雇用の女性を中心に、そうしたマクロの動きから取り残されて精神的に追い詰められている人たちが一定数いるということでしょう。先月の記事については不明を恥じるばかりです。

各種経済指標を見る限り、現時点で生活困窮者がどんどん増えているという状況ではないようですが、寒くなるにつれ第3波が始まりそうな予兆が出てきています。今必要なのは定額給付金のおかわりではなく生活困窮者に的を絞った総合的な支援策だと思われます。

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