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気になる統計 労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果

2020年10月30日に総務省から「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果」が公表されました。失業率は先月と変わらず3.0%でした。

統計の増減は対前年同月比でみることが多く、そうみると就業者数が減少し続けているという見方になりますが、今年はコロナの影響があるので月次の雇用者の実数を確認すると5月が底で6月以降はゆっくりとですが徐々に増えています。また正規雇用は対前年同月比でみるとコロナ下でも増え続ているのですが月次の実数は5月にやや減ってまた戻り8月、9月は減少していいます。昨年は春から秋に向けて一貫して穏やかに減っていたので(日本の雇用慣行からくる季節性であって整理解雇されているわけではないと思われます。)今年はコロナの影響は多少あったけれども企業は何とか踏みとどまって春の新規採用組も含めて相当程度正規雇用を守っていた様子が見て取れます。

他方、非正規は対前年同月比でかなり減っていたのですが月次の実数では8月、9月はハッキリ増えています。非正規の実数の動向に正規雇用のような季節性はあまり見られないようなので、これは非正規雇用が回復し始めたとみていいでしょう。

失業率は前月と変化ないのですが男女別にみると女性の失業率が0.2ポイント低下し代わりに男性の失業率が0.2ポイント増えて相殺しています。業種別の動向をみると製造業や運輸業の雇用が減り続けており、他方、小売、飲食、宿泊、その他サービスの雇用が回復しています。そうすると製造、運輸を中心に男性の整理解雇の動きが出ているのに対し、小売、飲食、宿泊等では女性の非正規雇用を中心に回復しているためこうした結果になったとも考えられます。

8月、9月はGo Toキャンペーンが本格化した時期であり、女性の雇用の回復にはGo Toキャンペーンがそれなりに寄与しているのかもしれません。

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