読書ノート「すごい物理学講義」(著:カルロ・ロヴェッリ 河出文庫)
1.はじめに本書は「ループ量子重力理論」の一般向け解説書です。ループ量子重力理論とは一般相対性理論と量子力学の統合を試みる未完成の理論で日本で比較的有名な「超ひも理論」とは別系統の理論です。2017年邦訳出版で2019年12月に文庫化されました。私が購入したのは2020年3月の第6版なのでこの手の本としてはかなり売れているのではないでしょうか。
本書では古代ギリシアの哲学者やダンテの引用が多用されておりヨーロッパ的教養を感じさせるとともに数式に先立つ直感的理解を重視する著者