「 未定 」#59
マッドドールを打倒したクレイグとイズコは少し話をして別れた。
クレイグ「君とは旅の方角が違うようだ。俺は用事があって先を急ぐよ。またどこか出会えるといいね」
そういうと彼は素早く道を進み去っていった。
イズコもアイリーンのいる森へと歩みを進めた。ひたすら歩き続けると前方に森が見えてきた。いざ森の中に入ろうとしたときに不意に青い鳥のチェロが現れて何かをさえずっている。
チェロ「お〜い、イズコ。ゴメンよ。新しい情報なんだけどさ、アイリーンはもうこの森にいないんだって、他の鳥たちから聞いたんだ。この付近でも盗賊とか魔物が頻繁に出没するようになってどこかに避難したらしいよ」
イズコ「え、、、そうなんだ、残念。ここまできたのに襲われただけになっちゃったな。でもしょうがないね」
チェロ「ねえ、これからどうするのさぁ」
イズコ「今回の戦いでも感じたけど、魔術師としてもっとレベルを高めないといけないと感じたよ。強敵と戦うと力不足は否めない。だからまたダスカロスのもとで修行してこようかと思っているんだ」
「そうだね、チェロもそう思うよ。もっと修行すれば、君ならもっともっといい魔法使い、魔術師になれると思うな」
「よし、決まり」
イズコは森の入口から方向を変えて歩み始めた。
谷を超え丘を越えるとすぐ海が見えてきた。確か海岸沿いの洞穴に不思議な祠があってそこでダスカロスから譲り受けたアミュレットに魔力を込めるとソイールの街の近くの祠まで移動できるのだ。ダスカロスからその知恵をチェロを介して授かったのだった。
ゴツゴツした岩場の海岸まで近づいていくと潮の香りが強く鼻を刺激する。海は少し荒れていて打ち寄せる波がゴツゴツした岩にあたって砕け水しぶきが飛んできて顔にかかった。
視線の先に筏の残骸が岩礁に打ち寄せてあり、そのそばにずぶ濡れの人が倒れている。
「おい!、君、聞こえるかい、大丈夫?・・・・!!」
近寄って声をかける。呼びかけに応じて体が動いた。
その倒れているずぶ濡れの女性はわずかに呼吸をしている。
よかった命はあるようだ。それにしてもどうしてこんなところに。
とにかく薬草をとバッグの中を探してみる。
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