「 未定 」#24

 昨晩の酒場での出来事はまだ頭の中で整理がついていない。結局この村の住人の依頼を受けて、今日廃坑のモンスター退治に出かけることになった。
バルバは意外とすんなり許してくれた。でも彼は条件をつけた、1日で仕事を片付けること。無理をせず危険ならすぐに戻ること。
僕らの話に割り込んできた冒険者と一緒にモンスター退治。割り込み野郎の名はラルーロ。彼はどうやらバルバから情報を収集したことがありお互い顔見知りだった。なかなか腕の立つ男で槍の名手らしい。それにしてもレイラは憧れの眼差しで見てたよな。ふん、面白くねえなぁ。朝になったら彼女は昨日の酔いも醒めて気が変わるかもと思ったがやる気満々だったね。酒の酔いは醒めたけどあの男には酔っているようだね。

 イズコとレイラは二階から降りてきて二人で朝食を食べていた。そこへふらりとバルバが戻ってきた。
「君達、モンスターの情報を仕入れてきたぞ。目撃者の話を聞いてきたんだが暗闇ではっきりしなかったようだがどうやら空を飛んでいたらしいな。鳥の羽が落ちていたことからもしかするとグリフォンじゃないかと思う。かなりの強敵になるな。それが村人の連続殺人の正体だと踏んでいる。数人の村人では倒せないわけだ。あと廃坑の地図も手に入れてきたよ」

「ありがとう、バルバ。助かるわ」
「どういたしまして。やるからには準備が必要だ。さっきラルーロと話をしてあと二人、雇うことにしたよ、案内役としてね。ラルーロが連れてくるだろう。あと昨日話をした住民とも報酬の話をしてきたよ。それ重要だろ」
「さすがね」
「サンキュー、バルバ」

話をしていたらラルーロが二人の案内役を連れて現れた。
背の低いドワーフの男二人。どちらも筋肉質で髭をはやしている。
ラル「やあ、おはよう。昨日の酔いは醒めたかな。大丈夫かい?」

レイ「問題ないわ」
イズ「とっくに醒めてるよ」
ラル「バルバのおかげで二人の案内役も同行してもらえる。昨日も話したとおり、俺は各地でモンスター退治に携わってきているから俺がリーダーだ。指示に従ってもらう。バルバと相談したがおそらくモンスターがいると思われる場所は3箇所。その場所をあたってみる。夜行性のようだから今は寝ているはずだ、その寝込みを襲う計画だ」
レイ「足手まといにならないようがんばるわ」
イズ「・・・はいよ〜」

バルバを残して案内役に連れられ三人は廃坑の入り口にたどり着いた。
岩肌に大きく暗い入口をぽっかりと開けていて、なんとなく不気味さを漂わせている。
ラル「よし、これから入るぞ。ランタンを持ったドワーフに先導してもらう。もうひとりは一番後ろからランタン持って進んでくれ。レイラは2番手で俺はすぐ斜め後ろを進む。魔法使いはその後ろだ。もちろんモンスターの親玉以外に住み着いているやつもいるので注意だ。それと火の魔法は極力使うな。ガスが発生していると危険だからな。何か質問は?」

レイ「大丈夫、さあ行きましょう」

まじか、どうしよう。火が使えないとちょっと苦しいな。そんなに魔術は覚えてないから。マジックミサイルしかないかな。



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