「新しい電気の使い方講座」で寛容で温かいぷちグリッドな未来を見る
この週末、2日に渡る座談会イベントが終了しました。
環境にやさしい自然素材の家づくりといっても、盲点だったエネルギー(暮らしの電気)のことを今回は取り上げてみました。
エネルギーの自給に興味ある人、災害時に電気を確保したい人、アウトドアで電気を使いたい人、実際に今住んでいる家で実践してみたい人が参加してくれました。
「太陽光発電=エコ」という単純なことではない
現在の家づくりでは、屋根にいっぱいの太陽光パネルを敷き詰めて、たくさん電気を使う前提で工事をします。売電で儲かる、元がとれるという考え方になり、大きなロスを生み出していたり、必要以上の大きなエネルギーを使っていることに気が付かないまま、「エコ」や「環境にいい」という言葉だけが使われています。
数百万の投資をして、本当にそれが自分たちの生活に必要な規模なのかは素人には判断できないので、業者の提案に任せることになります。そういった従来の太陽光発電の使い方、考え方とはまったく異なるのが今回の座談会で取り上げた「ぷちグリッド」。
見えないから考えない、頼りっぱなし任せっぱなしの電気
私たちの暮らしの中で、電気はいったいどこからやってきて、壁や天井の中をどう配線されているのか考えることがありません。何も考えずに、スイッチを押せば照明がつき、コンセントにさせば家電が使えます。電気の配給は電力会社に頼り、工事は業者にお任せというわけですね。
自分たちの暮らしの電気を、頼りっぱなし任せっぱなしではなく、自分たちでコントロールしたい。でも完全自給自足のオフグリッドでは、能力主義、完璧主義、個人主義に走ってしまう恐れがあります。
十分にして最小を知る、はじめの一歩を踏み出す
ゆうくんの提唱する「ぷちグリッド」は、無理をせず肩の力を抜いて小さな一歩からはじめられるのが特徴。豊かで十分な生活を確保しながら、自分たちにとっての最小を知る「十分にして最小を知る」、その考え方がこれまでの常識と大きく違います。そして個人主義や能力主義ではなく、100点を目指さない、家族の幸せを考えながら自分たちができることをやってみる、必要な時には送電網に頼るというのがぷちグリッドなのです。
社会やシステムを責めるより、まずは個人個人が変わっていくことを目指す
わたしたちは社会システムの中で恩恵を受けて生活が成り立っています。もちろん多くの問題を抱えているけれど、ただ責めたり否定して、自分たちは変わらずにシステムだけ変えようとするのではなく、わたしたち個人個人がマインドを変えて行動を変えていくことが大事だと思うんです、とニコニコと穏やかに話すゆうくん。
ゆうくんの描くぷちグリッドの考え方は、寛容で温かい助け合いの精神が根本にあります。
学びだけでなく、具体的にやってみるハードルも下がり、ゆうくんの人柄に温かい気持ちになった座談会でした(と、感想に書いてくれた)。
たとえ少ない人数だとしても、来てくれた人がどれだけ満足してくれるか、学びと交流がある場をつくれるか、を考えて『環境と暮らし』がテーマの座談会をやっています。次回はいつになるかは未定ですが、こういうのがやりたいな、と思いついたらまた開催します。
おわりに感じたこと
2週間前に突然開催を決めた今回の座談会イベント。友人2人が自主的にスタッフとしてかけつけてくれました。一人は他県から、一人は超多忙な中、スケジュールを調整して来てくれました。
元シェアメイトと元研修生。2人とはすっかり仲良のよい友人となり、たくさん語り合い、たくさん笑い、周りの人も巻き込んで楽しい時間を過ごしています。
自分のやっていることに、自然と集まって心から楽しみながらサポートしてくれる人たちがいるなんて、孤独だった30代には想像もできなかったことです。幸せって、やはり人が運んでくるんだなあとしみじみと感じた週末でした。
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