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いつの間にかこの街に身体が順応していた

先日、次に住む予定のアパートの外観を見に行ってきた。そして、外観を見るついでに、駅とアパート間を別の道を歩いて往復してみた。

アパートに行くときに通った道は道幅が狭く、住宅が密集していた。バラの花がキレイな庭の家や、大きな一戸建てがあり、歩いているのが楽しかった。なんだか地元を思い出す、安心するような街並みであった。

一方で、駅に行くときに通った道は道幅が広く、たくさんの車が走っていた。音はうるさいが、夜は明るくて安全そうだな~と思えた。

知らない町を歩くのは楽しい。それが今後自分が住むところだと考えたら余計ワクワクする!
だけどやはり知らない場所は知らない場所。私は知らぬ間に、神経をかなり消耗させていたようだ。駅に着いた頃にはもう何も考えたくなく、早く今のアパートに戻りたかった。

電車に乗り、乗り換えの駅まで行く。その駅でいつもの路線のいつものホームに立った時、なんだか泣きそうになった。

慣れ親しんだ路線への安心感や、もうじき使わなくなることへの悲しみ、変わらなきゃいけない自分への焦りと、着実に変わっていっていることへの恐怖感・・

様々な要素が入りまじり、鼻がツーンとなった。

いつもの駅に着き、地上に出た瞬間「あ、いつものにおい」と思ったとき、私はこの街に順応していたのだな、と感じた。

4年前はまるで「よその家のにおい」のように感じていたものが、今ではまるで「自分の家のにおい」のように感じる。

しかし、私は最近まで、ここでの住み心地を聞かれると「車通りが多くて、ビジネス街だから平日は夜までうるさいし、スーパーはすごく狭い。そして何より家賃が高すぎる。良いところは駅が近いことくらいかな」なんて言っていた。

・・ディスりまくってごめんなさい。

一種の照れ隠しなんです。

これが「離れてはじめて気づく」というやつですか。

この街を離れるまであと何週間かしかないだろう。

残りの期間、思いっきりここを愛し、感謝し、楽しみきろうと思う。

初めての一人暮らしを支えてくれたこの街を。

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