見出し画像

名盤の話(後編)

そいえばこんな企画もあったなという感じです。
前編を見てみたら1アーティスト一回、トータル5枚までということだったのでそれに従って紹介していきたいと思います。
あ、ちなみに前編で紹介した3枚は現状特に評価が落ちているとかはないので、純粋に残り2枚だけを選んでいこうと思います。

④Mrs. GREEN APPLE「TWELVE」

活動休止、メンバー脱退など紆余曲折ありながらもついに紅白出場までたどり着いたミセス。
新曲も出るたび追っていて、夏に出た「ANTENNA」も良かったのですが、1枚選ぶとなるとやはりこの1stフルアルバムになるのかなあと思います。
メジャーデビュー前〜メジャーデビュー直後くらいの時期に作られた曲が中心となっている本作は、バンドの作詞作曲を務める大森元貴(ギタボ)の初期衝動や哲学、音楽への理想、情念のようなものが真空パックで保存されています。
現在とはバンドのメンバーも違い、作風もかなり異なってきていますが、少しでもミセスを、大森元貴を理解したいなら必聴盤のはずです。

この一曲!

この曲が彼らの高校時代からあったという事実に大森元貴の才気煥発を認めざるを得ない訳ですが、一方でところどころに「お年頃」を感じるような表現も散りばめられている曲だと思います。
大森元貴という人間のパーソナリティは基本的にデビュー時と現在でそこまで変化していないと思うのですが、この曲のような、ともすれば厨二っぽい雰囲気を纏っている作品は流石に出てこなくなりました。(と思いきや、Siipという違ったベクトルで厨二が爆裂した概念が新たに生み出されたりもしている訳ですが)

紹介した動画は「ENSEMBLE」というアルバムのツアーでパブリックを演奏した時のもので、この「ENSEMBLE」のツアーがミセス5人体制時代(所謂「フェーズ1」)の最高到達地点だったのかな、というのが僕の見解です。
決してその後は落ち目みたいなことが言いたい訳ではなく、それだけこのツアーが凄まじいクオリティを誇っているということです。ミセスに興味あるけど見たことないという方々は、ぜひ一度チェックしてみてください。

⑤ Official髭男dism「エスカパレード」

今をときめく(ライブ活動は休止中)モンスターバンドとなったヒゲダンですが、1枚選べ!と言われると、Pretender収録のメジャー1stでもメガヒットシングル多数収録の2ndでもなく、インディーズ時代の最後に出されたこの「エスカパレード」に手がいってしまいます。
メジャーデビュー前とはいえ「ノーダウト」「115万キロのフィルム」といったヒット曲はしっかりと収録されている訳ですが、1枚のアルバムとしての流れ、総合的なクオリティの高さに目を向けると、知名度がビッグバンを起こした後の2枚よりなぜかこちらを評価したくなる、そんなアルバムです。
思うにそれは「やりたい音楽」と「ウケる音楽」の塩梅が全アルバムの中でも一番だからなのではないかと。赤い公園の猛烈リトミックでも似たようなことを書いた覚えがありますが、何せ1年以上前のことで記憶も曖昧です(爆)。
「Pretender」という一種の「兵器」を得て、どこまで高く跳べるかが問われていたであろうメジャー1st、「I LOVE...」「Cry Baby」のような捻ったアレンジ、テクい演奏のキャラが根付きつつある中でそのパブリックイメージにどこまで沿うのか、どれくらいの裏切れるのかを考えざるを得なかったであろうメジャー2nd、いずれも結果として生まれた作品は素晴らしいもので、更にその後も「Subtitle」で「Pretender」よりも高く跳び、「ミックスナッツ」でパブリックイメージ以上の捻ったアレンジとテクい演奏を見せてくれた彼らには本当に頭が下がります。
ただ、彼らがビッグになればなるほど、メジャーデビュー前のどこか牧歌的な雰囲気がポップさに反映されているようなこの「エスカパレード」が、どこか恋しくもなってしまうのです。

この一曲!

「Earth, Wind & Fireやんw乙ww」と思った奴ら、だからどうした?とでも言ってくるようなパワーのある楽曲だと思います。
曲がいいのは勿論なんですが、3年前YouTubeに期間限定でアップされていた2019年のライブの動画で、1曲目にこれをやった時の演奏が、そりゃもうものすごくて…
ここで色々語ってもいいですが、とにかくなんとかしてみんな見て!以上!!


ということで5枚目まで紹介した訳ですが、前編が3枚紹介で後編が2枚だけ、というのも寂しい話なので、せっかくですしもう1枚だけ紹介させてください。

B'z「SURVIVE」

まだ幼稚園に通っていたような頃に、親の車でよく流れていたこのアルバムが今振り返れば自分の音楽鑑賞の原風景だったかもしれません。
ファンの間でも「最高傑作」の呼び声が高い本作は、全盛期の勢いとアレンジャー変更に伴う楽曲の多様性が上手い具合にマッチしていたのが大きかったのではないかと思います。
B'zは活動が長すぎる故、どの時期がオススメなのか、どのアルバムがオススメかが(ベスト盤を含めても!)意見が分かれるのですが、自分がオリジナルアルバムから選ぶとすれば断然これです。

この一曲!

ロックとデジタルの融合というのは今では当たり前のことですが、やはり先駆者はこの2人だったんだなあと思わせられる曲です。
てか3日だか4日でできた曲らしい。どゆこと??
僕もこの記事は15分でできました、とか言ってみたかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?