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映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』

(写真はムービープラスのHPから引用https://www.movieplus.jp/lineup/detail/?film_id=CS-0000000200803972-000)

今日は映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』並びに『家族を想うとき』の感想。前回も書いたけど、ブレイディみかこさんの『ブロークン・ブリテンに聞け』にこの作品が取り上げられていたので観ることにしました。『家族を想うとき』も同様。この二つは同じ監督の作品で、U-NEXTで両方とも観れるとわかったので、立て続けに観てみることにしました。

まず『わたしは、ダニエル・ブレイク』を観て先制パンチをくらった私は、次の『家族を想うとき』を観る時に身構えました。どんな悲惨な話に展開してくんだろう、と。そしたら主人公の顔がいかにも幸薄そうなルックスの人で、「ああ…(´Д`|||)たぶん見るに耐えないぞ、コレ」と思いました。

どちらも英国の現状を切り取って、いまこういう問題があるんだよ、と問題提示をしてくれている感じの作品で、『ブロークン・ブリテンに聞け』の内容よろしくとにかくヘビー。こういう現実があるのかと思うと、どよーんと暗くなってしまうのでした。

そして二つとも、登場人物がイヤな奴ならばともかく、善良な市民(多少の問題はあったとしても)で真面目に頑張ってる姿が描かれていて、なぜこんなイイ人たちがこんな目にあわなきゃならないのか…と、社会の問題が浮き彫りになるような作品なのです。

おそらくこの作品に出てくる登場人物たちがもうちょっと良い社会で暮らせたならば、こういうことにはならないはずであり…。働けど働けど、なおわが暮らし楽にならざり、ぢっと手を見る・・・を地で行っていて、んもー!どうにかならんのか!と思う。

しかし我が国も他人事ではなく、最近の日本の社会のヒドさは英国に負けていない(ここはおおいに負けてほしいところだが)。お給料は上がらないのに物価は上がり、税金は上がり…何かで読んだけど、いまは日本では若い女性の自殺が増えているらしい。うら若き乙女が人生に生きる意味を見出せない社会は相当病んでるんではなかろうか。

と、我が身を振り返って自分の国についてもいろいろ考えさせられた二作品ではあったのだけど、私はやっぱり社会派の映画は苦手だなと思った。以前日本の『万引き家族』を観た時も思ったんだけど、社会の問題を取り上げた作品はドキュメンタリーで充分で、創作作品ではあんまり観たくないのです(個人の意見です)。

社会派の要素を取り入れると作品として重みが出るとか、もちろん純粋にこの問題について知って欲しいから、とかいろいろあるのかもしれないけど、私としては単純に人を「すごーい!」と驚かせてくれたり、思わず笑顔にさせてくれたりする作品の方が好きだ。

とはいえ、だからこの作品たちは観ない方がいいよ、というのではなく、ぜひ積極的に観てもらって英国の状況を知って、ひいては我が国の状況にも思いを馳せる人が増えるといいなと思います。

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