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【映画レビュー】ちょっと思い出しただけ(※ネタバレ注意)

久しぶりに大好きな映画に出逢ってしまい、
初めて映画レビューを書くに至ります

コロナ禍を生きる私たち
3年前のことが遠い昔のように感じる
でも懐かしんでその人に連絡したりはしない
ちょっと思い出しただけだから

恋人と別れる時って、
相手の嫌なところばかりが見える
嫌な出来事ばかりが思い出されて、
「あぁそうだこの人ってこういう人だ」 
「別れて正解」
「この数年間はなんだったの?」

でも、ふと思い出の破片に触れた時
ぶわっと幸せだった記憶が蘇る
私ってあの時たしかに幸せだったんだな

胸がぎゅっとなって甘いけど苦くて苦しい
なぜか目頭がジワッと熱くなる
なんだろうこの感情

またそっと思い出をしまって、
今の幸せを噛み締める
誰しもが経験あるんじゃないでしょうか

※ここからは映画の内容に触れます


葉(伊藤沙莉さん)と照生(池松壮亮さん)は元恋人同士
ふいに照生を見かけたことをきっかけに、
過去のことを1年前→2年前→3年前…と
遡る形で展開していく物語

物語の中で伏線が回収されていくのも気持ちよくて
「あそこなんて言ってたっけな?」
ってまた観たくなる映画でした

照生は夢を追いかけるダンサーで
葉の仕事はタクシードライバー
そんなに若くはない二人(30歳手前)が
慎ましくて幸せな日々を送るのだけど、
照生の怪我をきっかけに二人は別れてしまう

私は女なので葉に自分を投影してしまいます
女って相手が言ったことよく覚えてるんですよね〜

劇中には描かれてないけど
きっと日々確実に溜まってるものも
あったんだろうな

怪我をした照生と喧嘩するシーンでの葉のセリフ
「いっつも自分。いっつも猫。」から
(照生は猫を飼ってる)
葉が振り回されてたことが伺える
でも会えば楽しくて、
ずっとその繰り返しだったんだろうなぁ
(女子共感の嵐やろ)

定職ついてないのに猫飼ってるって時点で
わかりやすくダメ男。笑(猫好きだけど)

怪我をする1年前の照生の誕生日
葉が「将来子供が欲しい」とふいに漏らすけど
すぐに口籠もってしまう
先行きが見えない男にそんなこと言っちゃダメって、
女ならみんなそう思うよね!?

照生は「来年の誕生日プロポーズしようかなぁ」と
聞こえる声でつぶやいてラブラブな二人
けどその翌年照生の誕生日直前、
怪我をしてしまいます
(葉の誕生日は5月、照生は7月)

女の超生々しい感想だけど、
翌年5月(葉の誕生日)の時点で
「今年はプロポーズされなかった、何でよ?」
って思ってたんじゃないかなぁ

怪我をしても、一緒にいたい
(ひいてはこれを機に結婚しようよ)
でも、ちゃんと深い話をしてこなかったよね
私たち


ラストシーンはまた現代に戻ってくる
照明スタッフとして舞台に関わる照生が
撤去後の舞台で踊っている
その場面に偶然出くわした葉

あぁ、まだ舞台に携われてるんだな
元気でやっていてよかった
がんばれよって、
葉はそう思ったのかなぁなんて思いました

現在の葉は
ひょんな出会い(道端でナンパ)をした男性と
おそらく結婚しており、家に子供と夫が待っている

この男性を演じるのがニューヨークの屋敷さん
結論から言うとめっちゃ演技良かったです!
屋敷さんのあるシーンで(アドリブらしい)
映画館に笑いが起きてました

さすがおれたちのやっしゃんだぜ!!!
(何を隠そう私はニューヨーカー)

一見軽いんだけど
ある時を機に一人の女をがっちり幸せにする
そんな男っていません?
(この間まで遊んでたくせに!みたいな)

まさに屋敷裕政そのもの
これは友人の松居大悟監督のほぼ当て書きみたいなので、ぜひ屋敷さんの演技も注目してほしいです

以上、
もはやレビューでもなんでもない
ただの気持ち感想の吐き出しでした

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