上司との面談 その1

ある日。

わーわーやーやーうるさかった同僚が、
静かになった。


正確に言うと、
大声を出さなくなっただけで、
上司に聞こえないように、
または上司がいないときに、
わーわーやーやー言うようになった笑

恐らく指導が入ったんであろう。
でも本人は
上司の顔色しか気にしていないので、
ボリュームが下がったぐらいで、
なにかと小声で言われるから
ネチネチ感が強まる。

ため息しか出ない。


そんな日が数日続き、
上司から面談の合図。

「最近の体調は?食欲は?」

「眠れるようになりつつあります
 それ以外は特に変化なしです」

「そっかそっか…」
「俺さ、正直言ってどうしていいか
 わからないんだよね」
「人の中身って変えられないよね
 だからって人を傷つけていいわけない。
 上司として諦めてはいけないし、
 諦める気もない」
「こういう問題が起きた時、
 当事者を異動させて解決
 みたいな感じだけど、
 なんで不利益被った側が
 異動しなきゃいけないんだろう」
「どうしたらいいのか、
 俺には本当にわからないんだ。
 なぜバストロさんが
 異動しなきゃいけないのか。
   なぜ部下の○○くんが休職することに
 なってしまったのか。
 だって原因はバストロさんにも
 ○○くんにもないから。
 原因がわかっているのに手立てがない」

正直言って、
私もよくわからない。

あの人が異動しなかったら、
耐えれる人だけが残る。
あの人が異動したら、
また異動した先で誰かが潰れる。

何も解決していない。
上司が悩む気持ちはとてもよくわかる。
私だって悩んでいる。
この部署で頑張れるなら頑張りたかった。


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