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#9 セブンイレブンの不労所得 ~フランチャイズとは~

こんにちは。こんちやまんです。

コロナも落ち着きつつありますが、乾燥する季節を迎えた今、万全な対策は続けましょうね。
インフルエンザも昨年で流行らなかったからこその、集団免疫が無くなっている可能性もあり、猛威を振るう可能性もあるので気をつけたいところです。

当ページを閲覧いただきありがとうございます。毎度の宣伝ではございますが、当ページは#1 から深く繋がっております。会計や財務諸表という言葉に疑問符が付く方はぜひとも#1 からの閲覧をオススメしております。


早速ですが本編に入ります。


前回はコメダが飲食業ではなく、卸売業だという衝撃の事実をお伝えしました。その中でもキーワードとなったこの単語、


フランチャイズ


お店の名前、看板を貸し借りすることであり、個人の事業主の方が知名度を手に入れられる制度というような内容を前回ぼんやりとお話ししました。

では、それ以外にもメリットやデメリットはなにがあるのでしょうか?


お店を営業する人側のメリット

突然私がコンビニを始め、「こんちやマート」を9:00~20:00で営業します!と言ったとします。
でも、すぐ近くには24時間営業でセブンやファミマ、ローソンもある。だとしたら皆さんどちらに足を運ぶでしょうか?

多くの人は後者の有名コンビニに足を運ぶはずです。これでは事業失敗の確率が高いですよね。




「あ〜ぁ、自分がセブンを開店できればなぁ」




可能です。


先程言ってたフランチャイズ契約をセブン&アイグループと交わすのです。

事業主はセブンイレブンの名前でコンビニを営業する権利をセブン&アイグループから購入します。看板代と、利益の一部を看板のおかげだということで「ロイヤリティ」を支払います。

営業展開にイチから考える必要がない。これがほぼ唯一にして最大のメリットです。


お店を営業する人側のデメリット

契約に従って店舗の営業方針が加盟本部に左右されること。

これが唯一にして最大のデメリットでしょう。集客のネームバリューは高いですがそれと同時に企業ブランドを損なわないためにあくまでも「下請け」的な立ち位置なのです。



ザックリと一般人がフランチャイズ契約をして店舗を営業することの利害について理解していただけたでしょうか。



フランチャイズ加盟契約をする
企業側のメリット

反対側の視点です。
大きく分けて2つあります。


①開業資金が必要ないこと。

名前を貸すだけであくまで店舗の運営をするのは一般の事業主さんです。店舗を開くための工事費や資金集め等は全て個人の事業主が負担しなければなりません。
ただ、中には開業の資金面的ハードルを下げるために助成金を出すなど支援の豊富な企業も存在します。


②営業圏を効率的に広げられること。

これは①と少し繋がる部分があります。開業資金が抑えられるし、自社で営業する必要はないですが、看板は立ててお店を開いてくれるので自然と知名度が上がりやすくなることで、自社が新店舗を出したり、新たにフランチャイズの契約が生まれたりと良い循環が生まれることがあります。


フランチャイズ加盟契約をする
企業側のデメリット


以下が最大の原因であり、それに付随する様々な問題が生まれるでしょう


自社の責任になく企業イメージダウンのリスクがある

フランチャイズで営業するということは、自社以外の人が責任を持ってお店を営業することになります。店員さんの対応一つでそのお店のイメージが決まってしまったりしますよね。多くの消費者はその店がフランチャイズかどうかなんて知ってるはずがないので、その会社のイメージが偏る可能性や、イマドキSNSで悪評が広がる可能性があります。
フランチャイズ契約をした店舗の管理も契約元企業の大切な仕事ですね。



セブンイレブンの財務分析


さて、実際にフランチャイズを拡大している企業を財務諸表を使って見てみましょう。

今回は損益計算書(P/L)を見てみます。対象企業は「セブン&アイホールディングス株式会社」。
下には連結損益計算書及び連結包括利益計算書と書いてありますが、少し複雑なだけで基本的にはあまり変わらないので説明は省きます(笑)

(EDINETより)

セブンイレブンの注目すべき点は一番上でしょう。売上高のさらに上に「営業収益」がありますね。これが今回の場合はフランチャイズの影響の大きさを表しています。売上総利益の下に営業収入の欄に*1と着いていますね。これは後ろに補足説明である「注記」があります。見てみましょう。

(EDINETより)

フランチャイズのグループ加盟によるロイヤリティ収入や、加盟店舗の売上高などが記載されていることがわかります。
ロイヤリティ収入が1,007,725百万円なので、
1兆77億2千5百万円を自社で営業することなくお金を得ていることがわかります。


つまり、、、


1兆円越えの不労所得がセブンにはあるのです!!


ちなみに加盟店舗の売上高も注記されていますが、こちらはセブンイレブンの会社の売上ではなく、営業している個人事業主の売上なので当社P/Lの売上高に数えてはいけません

つまり、セブンイレブンは自社による売上とロイヤリティ収入を合わせた5兆円より、フランチャイズのみんなが6兆円を稼いでいるというこんなに有名な企業であるにも関わらず少し奇妙な収入体系をしています。


セブンイレブンのロイヤリティの仕組みは利益額に応じて決められた割合をセブン&アイグループに支払うことになっています。
コロナ禍でもコンビニエンスストアはあまり大きな影響を食らうことなく営業ができていたため今年のセブン&アイグループは大きく利益を減らすことはありませんでした。


フランチャイズの契約方式によっては有事の危機においても生き残る術はありますし、フランチャイズばかりに頼っていると個人事業主さんたちがバタバタと倒れれば共倒れになる可能性もあるということです。

どんな企業であれ様々なピンチをチャンスに変える柔軟な姿勢が厳しい経済を生き抜く術ということですね。


さて、いかかでしたか?セブングループの不労所得について財務諸表から気づくことができました。また1つ少しでも会計の魅力を感じていただけたら幸いです。


今回はこれにて終了です。次回は12月に入り就活も迫りつつあるので個人的な就活で見ておいたほうがいい財務諸表のイロイロについてお話できたらなと思っています。


今回は長くなりましたが、ここまでのご読了、誠にありがとうございます。当記事を気に入ってくださった方はぜひ「♡スキ」ボタンもポチってくださると今後のモチベーションにもなるのでお願いします。また、続きを読みたい方はフォローもぜひお忘れなく。

それでは、また。

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