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#27 若者の懐古ブーム「アデリアレトロ」

「温故知新」・・・故きを温(たず)ねて新しきを知る。

過去を振り返ることなく、前しか見ない!と言った人も中にはいますが、過去から学び、それを未来に活かすことがコスパのいい人生の歩み方なのではないかと。



空前の「懐古ブーム」

「写ルンです」「古着」「純喫茶※」「花柄食器」などが今、若者の間で流行しています。「懐古ブーム」の到来です。
みなさんも「昭和レトロ」などのような言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

純喫茶…純粋な喫茶店のことを指す。メロンソーダやプリンなど写真映えのする懐かしいメニューや、マスターとの会話を楽しめるなどの「人間の温かさ」が流行の火付けに。

そんな流行に乗っかって大成功を収めている企業があります。

石塚硝子株式会社

愛知県に本社を構えるガラスメーカー

知らない人も多いこの会社、実は日本中で大活躍しているんです。
みなさん、お酒や調味料など、「ガラスビン」に触れる機会があると思います。そのビンの底面をよーく見てみてください。


石塚硝子の「石」のマークが付いているガラスビン、結構多いはずです。

しかし、ガラス材料の価格高騰や、プラスチック製品の技術進歩によってガラス容器の需要は落ち込みつつありました。

しかし、近年Instagramで注目されているのがこちら

#アデリアレトロ

「花柄食器」です。昭和期にコップやお皿、さらには磨りガラスなど、生活の至る部分が花柄で溢れていた時代のモノが、「インスタ映えする」と言って再び人気を集めています。


その花柄食器を率先して再製作を始めたのが先程挙げた企業「石塚硝子株式会社」です。


まずは石塚硝子の過去5年間売上高推移から見てみましょう。

石塚硝子 過去5年間の売上高推移

2019年年度から2020年度にかけて、コロナ禍の中でも売上高が増進しています。なぜこのような好成績を収めたのか。
アデリアレトロの販売開始日は、「2018年11月30日」からでした。石塚硝子の決算月は3月のため、2019年3月期の時点では大きな影響が出る前の決算であり、2020年3月期では、これだけ大きな差が出たということです。


そんな会社でも落ち込むことはある

しかし、勘のいい皆さんは、「おいおいこんちやまん。どこを無視してるんだ。」と。もちろん見えていますよ。2021年度からの件ですよね。

2021年3月期からは大きく売上高が落ち込んでいます。原因を探ってみるため、有価証券報告書を覗きに行ってみましょうか。

有価証券報告書内「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」

飲食店が軒並み休業を余儀なくされたことから、飲料の注文が減り、相乗的にBtoB向けガラスびんの需要が激減しました。

ガラスびん需要激減のプロセス

#アデリアレトロ のブームによって新しい収益源を手に入れても、世の不況の波に抗うことは叶わず、大きく売上が減少してしまうこととなったのです。

反対に言えば、#アデリアレトロ ブーム到来のおかげで、赤字方向に傾き過ぎずに済んだ。そういう一面も持ち合わせています。


アダストリアでお話しした多角化のメリットですね。


まとめ

いかがでしたか。懐古ブームの波に乗っかって新しい収益源を手に入れた石塚硝子。企業だけでなく、「古民家カフェ」などの個人事業もこの懐古ブームで成功を収めた事例が数多くあります。
次のブームは何が来るのでしょうか。先を見通す力があるとビジネスで成功を収めるための計画が立てやすくなりますね。
成功したい人は先々を見通す、そんな特訓をしてみてはどうでしょうか。


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それでは、また。

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