審美眼と胆力

自分を貫くというのは難しいと思うのですが
特に自分以外の人から笑われたり
否定されたりすると、自分の考えを
持ち続けるのが難しくなりますよね。


これは母(50代後半)から聞いた話なのですが
母が学生のときに授業で
尊敬する偉人について作文を書く授業が
あったそうです。

みんなは豊臣秀吉だの坂本龍馬だの
教科書に載っている歴史上の人物に
ついて書いていたそうです。

そんな中、母の友人の1人が
当時デビューしたばかりの
サザンオールスターズの
桑田佳祐さんを尊敬する偉人として
作文にしたそうです。

「渚のシンドバッド」がヒットしたぐらいの
時期で、今ほどの地位を築く前だったので
先生やクラスメイトからは
「何言ってんの?」
「そういう事じゃないから」
的な冷やかすような言葉の嵐だったそうです。
先生からも軽く叱られたらしいです。

でも、その人は音楽に詳しい人で
「桑田さんは将来教科書に載るぐらいすごい人になる」
と言って聞く耳を持たなかったそうで
作文を書き直したりもしなかったそうです。


それから数十年たち、桑田佳祐さんは
国民的大スターになりました。

さらには音楽の教科書に桑田さんの
曲が掲載されたりするようにもなりました。
母の友人は先見の明がありますね。

その時の雰囲気に飲まれずに
自分を貫いた上で、時代が追いついてくる。
審美眼もすごいし、その胆力も凄いですよね。

なんとなくで人を馬鹿にしていた人たちに
そのカッコよさは出ないですもんね。

ちょっと話のベクトルが違う気もするのですが、
自分を貫くということについて考えるとき
この話を思い出します。


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