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アファンタジア脳内日記 ~絵と映像~

はじめに

さて、今回から本格的に自分の脳内でどういう処理が行われているか、書いていこうと思っています。
毎回、記事のトップには私のスペックを書いておくことにしましょう

  • ブリオニア 1980年生 男 アファンタジア

  • 絵と映像のイメージ想起不可

  • 音のイメージ想起可能

  • 味のイメージ想起不可

  • においのイメージ想起不可

  • 感覚(触覚)のイメージ想起不可

脳内で使えるイメージは聴覚だけという中で、絵や映像はどのように処理されているのか。2015年にアファンタジアのことを知ってから、自分なりに分析してきた脳内処理について書いてみようと思います。

『思い描けない』と『処理できない』は違う

さて、私がアファンタジアの理解を難しくしていると思う要因について記載しつつ、脳内処理について説明したいと思います。

まず、アファンタジアは『絵や映像が脳内でイメージできない』みたいな感じで説明されることが多いかと思います。
アファンタジアにも様々な人がいるらしく、全員にこの説明が当てはまるかわかりませんが、少なくとも私には当てはまる内容です。
しかし、この説明はデフォルメされすぎていて、それがどういうことかは理解しずらいのではないかと感じていました。

そこで思いついたのが、コンピューターを例にした説明です。
PC関連の知識が疎い人にもなるべく説明できるように頑張ってみますね。

まず、ファンタジア(この文章では脳内イメージが可能な人の意味で使います)と、私の脳内で決定的に違うのは、『脳内がGUIかどうか?』です。
GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)と書かれてもピンと来ない人も多いでしょうから、わかりやすい画像で例えると、

GUIの例

ファンタジアの脳内PCは↑のような感じだと思います。
しかし、私の脳内は、

GUIではない例

こんな感じです。これも正確ではないのです(後述します)が、イメージは掴みやすいのではないかなと思っています。

ファンタジアのみなさまは、頭の中で画像イメージを上手に使いながら脳内の情報を整理したり処理したりすることができるみたいです。
しかし、アファンタジア(少なくとも私)はそのような画像イメージを脳内で作り出すことができないので、処理だけをせっせと回して脳内で色々なことを考えているのです。

ここで大事なのは、記憶はできるし、記憶との照らし合わせはできる、ということです。
例えば、家族の顔ですが、私の脳は当然家族の顔を記憶しています。本人や写真を見て、それが家族であると認識することは可能です。しかし、それを脳内で思い描くことだけができません。

この感じが、先程のPCの例だとわかりやすいのかなと思います。私の記憶ドライブには、画像データは記録されています。しかし、私のPCはコマンドしか扱えないので、画像を出力することはできません。記憶にアクセスすることはできるので、目で見てる映像と記憶が一致するかどうか?を処理することは可能です。

この感覚が、絵を思い浮かべて、脳内イメージと実物を比較しながら情報処理をしているファンタジアの方々に共感が難しいところです。
パソコンを用いた説明も人を選ぶ説明ではありますが、アファンタジアをより深く理解してもらえるかな?と思っています。

文字は絵

先程、脳内でコマンド処理しているのが正確ではないと記載しました。
その理由が、このタイトルの通りとなります。

文字は絵なので、アファンタジアは脳内で文字をイメージできません!

これ、意外とアファンタジアを理解するときに欠落するんですよね。
絵とか映像がイメージできない、という説明をそのまま理解されてしまうのです。まさか脳内で文字が絵としてイメージされてるとは考えないのですよね。

そのため、正確には先程の画像のように脳内に文字が浮かんでいる訳ではなく、もっと別の処理方法をしています。

その説明を書く前に…
みなさん、この文章はどうやって読んでますか?

私は文字を読むときには、その文字を脳内で音読するように読んでいます。
しかし私の妻(脳内イメージ超鮮明なタイプです)は、文字を目で追いかけて画像のまま読むらしいんですよ。

この文字を目で追いかけて音読せずに読む方法、速読法とかの本でも書いてあったので何度も練習したのですが、いまだにできません。
文字の脳内音読がアファンタジアの特性なのか、それとは関係なく行われているのか気になるところです。

これを読んでるみなさんはどうなのでしょうね?
いつか、黙読処理についても深堀してみたいなと思っています。

絵は思い描けないけど、何かは浮かぶ

さて、話を戻します。ここからは少し難しくなります。
前回の記事でも紹介しました、以下のブログの記載についてです。
(note版が出てたのでそちらにリンクを変更しました)

頭の中で思い浮かぶのは記憶から構成された情報だけで、映像ではありません。

上記noteより

この感覚について、私も同じような感覚があります。
(そこに共感したので、この文章を書き始めた)
この感覚が少しでも理解されるといいなと思ったので、自分の言葉で説明をしてみようかと思います。

先程から書いている通り、絵や映像を脳内にイメージすることができないのですが、脳内の情報にアクセスできたとき、情報と繋がった感覚というのがあります。
私はそれを『概念と繋がってる』という風に表現していますが、なんかこう、目には見えない物体みたいなものと意識がつながってるような感じです。

このとき、脳内に絵は浮かばないのですが、粘土ような、なんか変な物体のようなものが頭の中に浮かんでいる気がします。気がする、というのは、絵や映像としてその物体を思い描けている訳ではないからです。どちらかというと、脳の感触みたいなのを感じてるような…やっぱり説明が難しい~

私はよく、この状態で考えることを『直接脳に処理させてる』と言ってます。頭の中で何か感覚を使って処理するというよりは、脳内に直接計算させてるような感じです。

そもそも、脳内では音以外をイメージできないので、イメージをこねくりまわして結論を導くというのができないです。
この概念みたいな物体が、いい感じで思考してくれて、結果を概念として返答してくれます。
脳内ではイメージが思い描けないので、結果はイメージではなく概念のまま脳内に出力されることになります。

問 題 は こ こ か ら で す !

概念をアウトプットする難しさ

思考が自分の中で完結している場合は、概念を理解して、脳にしまい込んでおしまいです。
しかし、思考というのは、他人に何かを伝えたりするために行うこともありますよね?

そのため、脳内で処理された概念を人に伝える形に加工する技術が必要です!

これが大変難しく…
私はよく「ちょっと言語化できてなくて説明難しいんですが…」と言ってしまうのですが、聞いてる方は何言ってるかわかってないでしょうね(苦笑)

概念で思考したものを加工するときに問題が発生します。
前述の通り、文字は絵なので脳内で使うことができないのです!(重要)
そのため、脳内で思考したものは以下のどちらかで加工&出力をする必要があります。

  1. 脳内で言葉として言語化する

  2. 紙やPCに何かしらの形でアウトプットする

私の脳内で音はイメージできるので、脳内で喋ることができます。
そのため、脳内で情報を加工するときは、脳内でひたすら喋ってまとめます。脳内、めっちゃうるさいです…
他人と会話しているときは、他のアウトプット方法が使えないので脳内で喋るしか方法がなく、他人と話しながら同時に自分とも会話しないといけないです。会話は大変苦手です。脳が疲れます。

ここで不思議なのは2番のアウトプットです。
これがアファンタジアという存在を難しくしていると言えますね。
実は、脳内で絵と映像は浮かばないのですが、紙の上に図示することはできるんです(!)

もう、意味がわかりません。
これが『思い描けない』と『処理できない』は違うということなのです。
頭の中に描かれていないものが、紙の上につらつらと表現されていきます。このとき、脳内では前述の概念と繋がってて、そこから情報を取り出しながら、手を動かしています。

そんなこんなで、絵と映像を脳内で浮かべることはできないのですが、絵や図を描くことはできるという謎の能力を発揮することになります。
(正確に模写するのはできないです。あくまで書くことができるだけ)

私はゲームやアプリの開発の仕事をしていますが、開発前アプリの画面遷移図を作ることが可能です。脳内には画像や映像は浮かびません。
概念の中にやりたいことを突っ込んで、脳内で喋りながらあーだこーだやっていると概念が完成するので、ドキュメントにアウトプットします。それを見て、不備不足がないか確認しつつ、もう一度概念を回す…ということをやっています。

うん、これ、普通の人に伝わらないですね!

さいごに

このように、記憶、処理、脳内イメージは、それぞれが連動していそうで、個別の動作を行っています。
連携はしているけど、連動はしていないのです。

アファンタジアの中には、有名なアニメーターの方がいたりするそうなのですが、その方もおそらく、自分なりの脳内情報処理を使っているのだろうと思います。脳内で絵や映像が思い浮かぶことと、情報の処理は別なんですよね。

そういう意味で、アファンタジアのことを障害と捉えることには違和感があります。個人差があるでしょうから程度次第ですが、脳の処理能力に欠陥があるというのは言い過ぎと感じます。

さて、今回の記事はここまでにします。
いかがだったでしょうか?

今後も、味やにおいの話、感覚連動で映像が浮かぶことがあるっぽい話など、他のことについても、合間を見て記事を書いてみようかと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ふう、脳が、疲れた…
これ、全部脳内で喋ってるのを文字に起こしてます(笑

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