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コーヒーと女性労働者

今日は3/8、国連の定めた国際女性デーということで、コーヒーと女性労働者についてです!

コーヒーの産地といえば、エチオピア、ルワンダなどのアフリカ大陸やコロンビア、ブラジルなどの中南米、そしてインドネシアなどの東南アジアの国々が思い浮ぶと思います。

このコーヒーの生産業を営む国々が位置する、温暖な地域一帯をコーヒーベルトと呼びます。きっと、知識として知っている人も多いのでは無いかと思いますが、海外旅行に行きやすくなった最近でも(直近ではコロナのせいでそれも叶いませんが、、!)、なかなか行くことのない場所だったりしますよね。
このように、コーヒーの産地は、日本にいるとあまり縁のない地域ですが、私たちが飲むコーヒーはその地域で生産され、運ばれてきているのです。

どの食物も輸入が当たり前の現代ですが、よく考えてみると自分の口に入るまで何万マイルも旅をしてきているというのが面白いですね!

さて、ここから本題です。そのコーヒーベルトでは、どのくらいの女性労働者がコーヒー生産に関わっていると思いますか?

コーヒー生産業に関わる女性の割合

地域により差異はありますが、世界のコーヒー農作業者の70%は女性です。その中でも、畑仕事にだけに絞ると90%、収穫作業だけに絞ると80%が女性であるというデータがあります(2018年:https://www.ico.org/documents/cy2017-18/icc-122-11e-gender-equality.pdf)。

驚きですよね!農作業は体力仕事であるし、男性が多いのではないかと予想していた方も多いとは思いますが、実際は女性の占める割合の多い職業なのです。

しかし一方で、コーヒー農園のオーナー業を営む女性は全体の20〜30%と少なくなっており、これは文化的、歴史的、また産業的な理由が根底にあります。

女性がオーナー業をしづらい理由

まず、農業をするのに一番大切だと言えるであろう「土地」ですが、多くのコーヒー生産国では男性世帯主と女性世帯主で所有している農業用の土地のサイズに差があります。ざっと、男性が所有する土地のおよそ70%ほどしか女性は土地を所有できていません。(とても大雑把な数値なので詳細はこちら

同様に、女性が世帯主である場合、労働力となる家族や従業員の数も男性が世帯主である時より少ないというデータがあります。

また、家事をしている時間が女性の方が長い傾向にあることや、教育を受けることが男性よりも難しいことも理由として挙げられます。

女性がコーヒー生産者として活躍するには

文化的や慣習的なものを覆すのは長い時間が必要です。女性が男性と対等にコーヒー生産者として活躍するには、教育の機会を与えることなど長い目で見た計画が必要です。

ただ、この状況を変化させるのには、男女平等という側面以外にも、いかに共同体として女性たちが暮らしと働きを両立できるかが大きな課題だと言えます。

例えば、ルワンダでは2009年に起こった紛争によりコミュニティ内の男性の数が大幅に減少してしまうという出来事が起きました。

また、グアテマラでは出稼ぎに出る男性が増え、地元の農園を女性に任せてしまうということが起きているそうです。

ルワンダとグアテマラどちらの例でも、教育や訓練を受けていない女性たちが急に農園の業務を任される、という状況になりました。家事や育児を行いつつ、農園の仕事も行うことが余儀なくされたのです。

女性でも農園のオーナーになったり、ビジネスのことに関わることが当然である社会であるべきだという一方で、家事・育児との両立も簡単なことではありません。単にオーナー業やビジネスを女性ができるようにすることを目標にするのではなく、コミュニティ全体でどう女性たち同士が、また男性からの協力を得ながらコーヒー産業に関わっていくかが大切なのです。

コーヒー消費者として

発展途上の国々の特に女性たちが置かれる状況は、コーヒー産業だけでなく、世界的に常に焦点が当てられている社会問題です。日本で生活していると、忘れてしまいますが、日本にいても様々な方法で支援はできます。今回この記事にコーヒー産業の女性たちを取り上げたのは、この国際女性デーを機に、まず知ることが大切なのではないかと思ったからです。

コーヒーラバーとして、コーヒー生産で頑張っている女性たちを応援したい!という気持ちから書いてみた記事でした。

相場千咲


引用

https://www.ico.org/documents/cy2017-18/icc-122-11e-gender-equality.pdf


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