あのたび -ベトナムで温泉-
日本人は温泉という言葉に弱い。あっちに温泉があるなどという話を聞いたり情報ノートに書いてあると行ってみたくなる。国民性なのかシャワーよりも熱い風呂に浸かりたいのだ。東南アジアの国々でも温泉は多い。独立したばかりの東ティモールにもあったという話だ。
この旅の途中では、カンボジアのシェムリアップ、インドネシアのバリ島やモニ、フィリピンのイロシンで温泉に浸かった。
ベトナムのフエでは男女8人ワゴンツアーで近郊の温泉へ行くことにした。フエのビンジュオンホテルは人気があり、入れ替わり立ち替わり色んな旅行者が訪れる。
ちょうど大学の春休みシーズンだったということもあり学生の旅行者もベトナムやカンボジアには多かった。割り勘にすると安くなるので大人数が集まった所で出発することにした(1人2$+入場料8000Dくらいだった?)。
車に揺られること一時間以上、着いた先には温泉というよりは屋外のアクアスパといった立派な施設が建てられていた。生ぬるい流れるプールがある程度といったこじんまりしたものだったが、若い子たちの水着姿が見られただけでも十分だ。出国して約1ヶ月分の疲れがなくなるくらい気持ちよかった。
東南アジアは暑いので、基本的に安宿は水シャワーのみ。やっぱり温泉はありがたい。日本のように裸の付き合いになるということはまずないので水着はあった方がよい。海とか島とか行く機会もあるしね。ボクの場合は前日に近くの市場で海水パンツを安く手に入れた。
中国は足元が寒くて靴で過ごしていたのだけど、ベトナムは真夏なのでサンダルも買った。ペラペラのビーチサンダルでは、道がボコボコで危なかったり鼻緒の部分が靴擦れで痛くなったりする。が長い旅の間に足の親指と人差し指の股の皮が、剥けたり治ったりの繰り返しで厚くなり慣れてしまうのだ。
「あなたの笑顔は忘れない」
とフエの土産物屋の娘に言われた。どうやら商売上のお世辞ではないらしい。旅仲間のコージくん曰く、
「良かったね、安住の地見つかったじゃん」
でも残念ながらボクのタイプではなかったのだ。その娘がもう少しベトナム美人ぽかったらその場に住みついていたかもしれない。それくらいフエで泊まっていたビンジュオンホテルは最高に居心地のよい所だった。2023年現在でも名前が変わったけど経営が続いているようだ。嬉しい
(つづく)
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