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まんが道展と藤子不二雄Aのマンガ表現

 2022年の初め、漫画家の藤子不二雄Aが亡くなりました。
藤子不二雄Aが相棒のFと富山から漫画家を目指して上京した際に住んでいたのが豊島区のトキワ荘でした。このアパートには多くの若手漫画家が集まり切磋琢磨していました。老朽化で一度取り壊されたのですが、2020年にトキワ荘マンガミュージアムとして再建されました。そこで現在、まんが道展という企画展が開催されています。

 その中で興味深かったのが、藤子不二雄Aのマンガ表現という特集。今なら当たり前の表現方法が、昭和の時代に試行錯誤しながら工夫しているページが解説とともにたくさん貼られていました。ただ読んでいたときには通り過ぎていたコマですが、まとめてみるとホント感心させられました。

ほぼ同じ連続4コマ
ヒマラヤと四畳半部屋
天井からの構図
白黒反転
夏の日差し
カリカリという擬音だけで1ページ
現実ではありえない顔の影
いかにもマンガ的な文字表現

また、ファンで訪れたみんなが付箋に描いた藤子愛が壁いっぱいに貼られているのが素敵。

 それから、かつての絶版本がずらりと並んでいたり、トキワ荘取り壊しの際に手塚治虫が天井板に描いたというリボンの騎士が残っていたり、ミュージアム開園祝いに寄せたたくさんの漫画家さんの色紙が並んでいたりと、他にも写真撮影不可の見所がたくさんありますのでファンの方は是非一度行ってみると良きかなと思います。
 ちなみにまんが道展は2023年3月26日まで。入場料500円。要予約。記念缶バッジがもらえます。


 最近実家に帰省した際、姪っ子がボクの子供の頃の蔵書である藤子不二雄マンガを読んでいて『エスパー魔美』と『魔太郎がくる』が好きだと言っていました。その姪っ子に「トキワ荘へ行ってきたよ」と伝えたら、思わぬ返事が返ってきました。
「父と母がふるさと納税でトキワ荘にしたから名前があるらしいです」
ええ?そんなふるさと納税あるんだ!一家揃って漫画好きで藤子不二雄好きなんだなと嬉しくなりました。次回行ったときは名前を探してみよう。


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