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あのたび -ボラカイ島と竹細工の宿-

 日本ではフィリピンと言うとセブ島が有名だが、知られざる楽園としてヨーロッパ人の間で人気になっていたのがボラカイ島だ。南北5キロメートル、東西は幅が狭いところで数百メートルという小さな島がビーチリゾートとして発展しつつあった。

 単身の旅行者にとって海で楽しむというのは難度が高い。だいたいどこも宿は高いし食べ物もレストランしかなくやはり高い。海で泳ぐにも、財布やパスポート、スマホはどうしたらいいんだ?ということになる。浜辺に荷物を置いとくしかないが盗難が気になって遊ぶどころではない。宿の部屋の金庫にでも全部しまってサーフパンツ一丁で出かけるという形になる。
 周りはみんなカップルかグループだし夜は酒を飲んで騒ぐ白人ばかり。やはりビーチリゾートは誰かと一緒に遊びに来るべき場所だと、泊まるたびに思い知らされる。

 前日泊まったカリボ(Kalibo)を朝8時にチェックアウト。この日はようやく晴れて洗濯物のTシャツやパンツはなんとか乾いた。メインロードから北端のカティクラン(Caticlan)へ50₱で移動。そこからボラカイ島はもう目で見える。500メートルほどの距離だ。17.5₱のボートに乗って到着。ボートステーションは桟橋がなくただの砂浜だった。

 まずは安宿探し。歩き方には200₱のセント・ヴィンセントと250₱のサンドキャッスルが紹介されていたが見つけられない。ターミナルで薦められたオーキッドリゾート(Orchids Resort)に300₱(≒660円)で泊まる。

 リゾート島の割に価格が安いのがバックパッカーには嬉しい。薦められただけあり、外観は竹細工でかわいくおしゃれ。静かできれい。のんびりするにはうってつけの宿であった。控えめに言っても最高!

 昼は持ってきたお菓子で済ませて歩く。浜辺でサーフィンする地元民ぽい子供。平和な風景である。リゾート島ではあるが、英語に加えハングル語の看板が多く見られる。韓国人の旅行先として人気のようだ。日本人はほとんどいない。欧米人をちらほら見かける程度。持参のペットボトルに補充してくれる水屋さんも見かける。夜はカレー風のおかず+ライス35₱。ふところが傷まない良心的な値段だ。

 開発され尽くしていなくて、まだ庶民的な文化が残っているという意味で、1人の旅行者にとってはとても住心地の良い島という感想だ。理想的なビーチリゾートと言える。以前マレーシアのプルフンティアン島も良いといったが、

ボクはこちらのボラカイ島の方が好きになった。

 ふっかふかの布団で惰眠をむさぼる。一日泊まって移動というのを繰り返してきたので体が休みを欲していたのかも。朝はパンとお菓子と水で済ませて東のビーチへ行く。泳ぐほどきれいではない。西のビーチの方が長く白い浜がつづいてきれいだ。
 
 散歩して北のピーチへ行く。砂も浜も美しく少し泳ぐ。帰りの裏路地で屋台のような店がやっている。かぼちゃやインゲンのおかずにごはんが20₱。水屋さん1.5リットル15₱。
 高くて手が出なかったが、どこかのホテルのビュッフェ175₱という看板は、それ以上の価値がありそうだった。お腹が空いていたら行ってみたい。

 夜はポーク+ごはん30₱+BBQ2本+コーラ25₱。割と満足。こんなに安く快適に過ごせるのだから、この島に長居したくなる気持ちはよくわかる。ボクが訪れた20年前より現在はだいぶ発展して価格も上がっているだろうが、それでも最高の島のひとつと言えるだろう。

 マニラやセブ島からも半日ほどで行ける距離なので、フィリピンに旅行した際は是非ボラカイ島に泊まることをオススメする。

フィリピンルート

(つづく)


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