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あのたび -湖の上の島-

 2003年はスマホなんてものはなくガイドブックが頼りだった。当時のネット事情はというと、大きな都市に何軒かネットカフェがあり1時間1$とかで利用させてくれる。通信速度は数10kbpsと遅く有益な情報が書いてあるウェブページもほとんどない。ウィンドウズのバージョンは98とかだし日本語がインストールされていないことも多い。日本のニュースがなにかあるかなと覗く程度であった。

 ビエンチャンの次は北のバンビエンに行くのが一般的なルート。RDゲストハウスにある情報ノートによると、バンビエンに行く途中に大きな湖があり、そこにある小さな島がなにもなくて良いという。

 じゃあ行ってみるか。
 そのナムグム湖という湖を巡るツアーがあるらしい。ツアーだと50000Kip(≒800円)だが、その島へ一方通行で行きたいだけだと交渉すると10000Kipで乗せてくれることになった。

 湖の真ん中にいくつか島があり、そのうちの2つほど島の上にゲストハウスが建っているというのは驚きだ。そのうちの1軒に宿泊する。3$。

 さてと歩くとほんとに小さな島でわずか5分で一周できてしまう。海パンで泳ぐくらいしかホントにやることがない! 
 ダムのための人造湖らしく魚が見えるというわけではない。食事もオーナーが出すものを食べるしか無い! フライドライスが15000Kip(≒220円)は高いな、と思うがこの島に食材を仕入れるコストを考えると仕方がない。電気も節約で夜のみ。
 夜は星が綺麗だと書いてあったが曇っていて見えず。

 なんにもないところでゆっくりしたいという憧れはあったのだが、ホントになにもないところは暇すぎて耐えられないということがわかった。

 しかも翌朝起きると、ダニか南京虫に盛大に噛まれていた。東南アジアでは蚊に悩まされることは多かったがこれは初めてだ。ダニか南京虫に刺された所は赤く腫れ強烈にかゆい。その症状が1週間以上も続く。蚊の方がマシなくらいだ。

 これは耐えられない。すぐに5000Kipでボートに乗り島を離れトゥクトゥクなどを乗り継いでポーンホーンへ。そこでバスを待つこと1.5時間。バンビエンへ向かった。

 余計な遠回りなどせずに素直にバンビエンに行っておけば良かった。
これと同じように1人でビーチというのは非常に寂しいと、この後の国の旅で悟ることになる。

ラオスルート

(つづく)


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