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人の精神的な傷付け方

私が育った家庭は、あからさまな肉体的暴力だけでなく、隠微な精神的暴力も満ち満ちていました。
あまりにそれらが身近であったので、言葉や態度で人を傷つける方法、暴力のテクニックを普通よりよく知っていると思います。
もちろん実践はしません。

どうすれば相手の自尊心を傷付け、迎合を引き出し、悪意を悟らせずに罪悪感を攻撃し、言葉にならない不安感を与えるのか。
そういった暴力を受け続けてきた側として、経験智として分かります。
また、他人がどの程度暴力テクニックを使っているのか分かります。それが意図的か、無意識かどうかも感覚的に分かります。

精神的暴力テクニックは、
あいづちの打ち方ひとつで、
「そうなんだ」という言い方ひとつで、
じっと見つめるやり方ひとつで、
言葉の間の置き方ひとつで、
人をおとしめ、傷つけることができます。
「軽んじる」「侮る」「蔑ろにする」を悟られないように行い、相手の自尊心を少しずつ削り、パワーバランスをコントロールしていくのです。
モラハラというやつです。

こんなこと言ったらどうなのかと思いますが、私はいじめられっ子がいじめっ子になる流れが分かる気がします。
暴力を受け続けるうち、「ああ、こうやって使うと効果的なんだ」というのを嫌でも心身で体得してしまうのです。
それをふとしたきっかけで、他人に使ってしまう、という感じだと思います。
そしてうまくやれてしまうんですよね、多分。

暴力を受けた側は膨大なサンプルを植え付けられ、「暴力そのものを学習させられる」という暴力も受けています。

唯一良いことは、暴力テクニックを見分けられるようになるので、人の外面や印象操作に一切騙されなくなることです。
いや、嫌ですね…

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