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ウィル試乗会に行ってきた

オレは2020年の1月半ばに脳出血を発症し救急搬送。内視鏡手術からの急性期入院、その後の回復期はリハビリ病院への転院入院を経て、海の日に退院。

約7ヶ月強の入院生活というお勤めを経てシャバに戻ってまいりました。

その退院時に、屋外移動のために使っていたのは、既存の手動車椅子にヤマハの駆動システムユニットとバッテリーを組み込んだ、いわゆる現段階で世間で最もポピュラーなタイプの電動車椅子でした。コレはこれで操作に慣れればとても軽快で使いやすい印象の機体でした。

その退院から程なくして当時の最新型電動車椅子と言われていたウィルのCK1に乗り換えることに。

コレは、オレが回復期に入院していた初台リハビリテーション病院が回復期リハビリの世界では当時も今も日本の最先端を誇る施設で、リハビリ関連の器具から環境まで新しいものが続々と導入される状況にあったことと、オレに関係する介護スタッフの皆さんがオレに残存する身体能力と各種器具とのベストなマッチングに関していろいろとご配慮いただいたおかげだと思っております。

そんな恵まれた境遇もあってか、オレは翌2021年の初頭から介護保険の適用が始まったばかりの後継機の最新型CK2に乗り換え、以降、それに乗って帰郷してから現在も同型機に搭乗しています。

こんな感じで、これまで電動車椅子ウィル量産型の進化に合わせて各世代を乗り継いできたオレは、今回お世話になっている業者さんからのお誘いもあって昨日の午後、自宅からCK2に乗りこみ、国道沿いのネッツトヨタで開催されるウィル試乗会へ行ってまいりました。

クルマのイメージの強いお店でなぜ? と誰もが思われるかもしれませんが、実際に顔を出してみて今回オレが如実にわかったことは、トヨタさんは、これまでのクルマ販売に負けず劣らずな気合いで、今後に増えるであろう免許返納後の高齢者の移動ツールの新車中古を問わない販売ビジネスやレンタル業務展開に対して大きくシフトを切っているのだなあと。

その証左に最も台数を投入し招待客に強くプレゼンテーションしていたのが、いわゆるシニアカーに近い形状のハンドル付きの最新型のタイプSでした。

詰まるところ、今回の試乗会のメインのターゲットは、オレのように肉体的に歩けない人ではなく、長距離を歩くのが面倒だったりツラく感じる運転免許返納者、もしくはその予備群なのです。

またここでも、オレの存在は世間一般から見た時の稀少種扱いです。

まあ、今回ここに参加したオレの興味自体も、次に乗りたい機種である折りたたみ型タイプFの、これまで自分が愛用していた従来のC2との操作性と乗り心地の違いだけに集中していましたから、これまた純粋な一般人とも言えません。

ある意味、オレは電動車椅子オタクみたいなもんです。

それゆえ、できれば営業スタッフの方よりも開発スタッフの方に、マシンスペックの細かな質問がしたかったぐらい。

その車椅子オタクの視点で言うなら、今回オレのお目当てのタイプFの最大の特徴は、電動でありながら折りたたみ可能な機体を実現するための徹底した本体の軽量化と構造の簡略化。

それを踏まえた上で、以下にオレの試乗インプレッションを箇条書きで書かせてもらいますね。

形状の最大の変化は、前述の軽量化と簡略化のために思い切って駆動系から切り離し、前輪がキャスター化されていること。

果たして、この大きな変化で路面状態のフィードバックが変わり乗り心地へ影響したり、操縦性も変わってきてしまうのか?

結論から言うと、操作性に関しては大きな変化は感じられませんでしたが、やはり段差に関しては、その大小を問わずC2よりもアプローチ角度を慎重にいかないとダメなようです。

乗り心地にも確かにC2は後輪と本体構造がサスペンション連結されているため、荒れた路面でもそれなりの安定感がありましたが、タイプFはそれが省かれていても、お尻が痛くなったり長時間乗った場合に疲労感が腰へ来そうな気配もあまりありませんでした。

シンプルな機体ゆえの堅牢性や本体剛性への不安感もあまりなし。

極めて感覚的な印象にはなってしまいますが、電動車椅子の世界の2ストバイクみたいに感じました。

キビキビ動いて本体も軽くてオレには取り回ししやすいけれど、加速性とか反応も早くて少しクセ強じゃじゃ馬タイプ。

過去にゲームでのジョイスティック操作とかに慣れてきていない高齢者とか女性だと、軽い機体のわりに鋭いその加速と感覚的な操作法の習得までは少し戸惑いそう。

そこで独断的なオレの最終結論。

電動車椅子だけのロングドライブでは、多少の悪路でも路面を問わない走破性を持ち、サスペンション付きの快適性メリットもあるC2に確かに軍配が上がりますが、日常生活の街乗りメインの使用に特化したり、新幹線や飛行機搭乗の際や車のトランクに入れての旅行などには、圧倒的にタイプFの勝ち!

ただね。このタイプF、まだ介護保険適応外なんだな。

そういうわけで、ネッツトヨタさんは今後中古販売にも積極的に取り組まれるようだから、質の高い出物を待ちながら、早く再就労して購入資金を確保しましょう。

バッテリーフル充電の最大航続距離も2キロほどアップしたから、カタログスペックで計算してもだし、今回実際の操作性も把握できたので、かねてから目論んでいる企画も、やっとこれで何とか実現できそうになった気もする。

やはり乗り物に限らずマシン系は、実際に触れてみないと何もわからない。
https://whill.inc/jp/special_contents/model-c2-f/searcher


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