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オレの判断基準 一人暮らしと施設入居の境界線とバカな夢

今日の話を書く前に、今のオレの身体の具体的な状況について整理しておきましょう。

2020年1月中旬、56歳2ヶ月で脳出血を発症し、以降その後遺症で片麻痺の中途障害者となりました。

障害の等級は1級、行政の区分としては重度障害者。介護認定度は要介護2ということになります。

そんな状況のオレの一人暮らしにまつわる話を今日は書きます。

帰郷する前も入浴などの生活介助を受けつつ一人暮らしをしていたこともあり、退職後に改めて高校まで生まれ育った街へと東京から戻るにあたっても、オレは当初から一人暮らしは希望していましたが、遠方からの電話などの問い合わせでは貸してもらえる賃貸物件が一向に見つからず、結果として2021年秋の段階で一旦「サービス付き高齢者向け住宅」(いわゆる「サ高住」)に年齢制限の特例(一般的には60歳以上でないと入れない)として入居する形で戻ってまいりました。

ここで一つ断っておきたいのは、オレは是が非でも自分の一人暮らしというスタイル自体には固執してはいないということ。

キリスト教系の学生寮の経験もあるので規則厳しめな体育会系の集団生活もそれほど苦にはならないし嫌いではありません。どちらかというと、オレはルールを守りつつそれなりに何事も経験だと思ってある程度の不自由すら謳歌するタイプかと。

そんなオレも一方では、一人暮らしのできる条件を自己規定しており、次の2つのことが最低限、自己完結してできないとダメだと肝に銘じています。

それは、トイレと食事。

それゆえオレは、将来的にこの2つに関して、今後もし誰かの手が必要な状況になったら、その段階で自ら何らかの介護系の施設に入ることも宜なるかな…とも考えております。

ここで、改めて一つお伝えしておきたいことがあります。

実は、いわゆるサ高住やグループホームなどは、法律上で厳密には賃貸物件に区分され、明確な介護施設ではなく、やや中間的な立ち位置のグレーゾーンに分類される、若干の語弊はありますがあくまで介護施設っぽいものなのです。

それに加えて、言うなればオレ自身も、実はかなり社会的にはグレーな存在です。

世間的には身体能力的に要介護と分類されていても、終日介護や見守りがオレに必須なわけではないし、ハード面での環境さえ整えばある程度は自活できる能力を有しているアラ還ジジイな障害者。

年齢的にも身体的な生活能力もどれもが中途半端。

服薬、通院も含めた健康管理、行政手続き、金銭管理も自力でできる程度の社会性と判断力を有した重度身体障害者。

おそらく客観的に見ると、実はこういった手合いの独居者が福祉行政や周囲の関係者にとって、比較的に親族の結びつきの強い傾向にある地方では特に卑近な具体例が少ないこともあって個々の事案への対応を求められるたびの判断にも困る、結果として極めて扱いづらい案件となるのだと思います。

前述のグレーゾーンのサ高住などの施設の入居者は、地方では基本的に早期の社会復帰や自活などを目指したいなどという人自体がそもそも少ないし、受け入れる施設側も端からそういう人を対象者として想定していません。

あくまで障害者は身内で面倒をみるのが基本。それが困難な場合の金銭トレードによる非常手段としてだけに介護施設があるという図式です。

自立した障害者など、何を寝言を言っているのかと…。

そういう事情もあり、帰郷して最初のサ高住には次の一般賃貸を探す間だけの半年間しかいませんでした。

ケアマネさんにしても何にしても、いっそのことオレの認知度やコミュニケーション能力にもう少し問題があれば問答無用で介護施設に放り込んで、費用は本人の懐から払いますので後はよしなに…で話が終わるのに、ヘタに頭も口も回るから、社会的には要被保護者ではなく、単に物申す、ひたすら扱いの面倒くさい障害者と見なされることになります。

かてて加えて、地方にはそもそもオレの望むデスクワークの求人も少ない。

極論すれば、障害者の仕事は各種の作業所と言われる施設での単純作業にほとんど限られます。

障害者のデスクワークや頭脳労働って何? そんな例も現場もこれまで見たことも聞いたこともないわ…が普通とされる世界です。

たとえ提出された資料のオレの経歴を見ても読んでも面接で話を聞いても、実際のところ誰も何一つよくわからないのが現実なのではとさえオレは思いますが、コレはただのオレの被害妄想なのでしょうか?

また、よしんばホワイトカラーの求人があったとしても、そこは雇用側の行政側に対する若年障害者の積極的雇用の姿勢を持つ優良企業であることをアピールできる絶好のアリバイ証明の機会という意味合いも強くなるため、必然的に知能やメンタル障害の若者を優先した方がお上にはより効果的に印象づけできることからも、オレのような身体障害者のおっさんは後回しにされ実務能力の査定といった検討されるべき最初のオーディションの舞台にすら立たせてもらえません。

まあ、志願者の実務能力や過去の経験や業績を、誰がどの立場でどう評価して今後の可能性も含めた雇用した場合の業務上のメリットを組織としてどうやって最終判断するのかという、オレに言わせればそもそも論的な問題もそこの根底にはあるのですけどね。

そうなってくると、結局は転職サイトにでも頼るしかないのかなあ…というやっちゅうもない話になってきますが、身体だけ壊れたオレのような中途障害者の再就労問題は、これまた長くなるので、それはまた別の機会にします。

さて、施設と一人暮らしのボーダーラインの話に戻すと、やはりそこは、人権や個人の自由といった権利を前面に出して無遠慮に行政に対してオレが一人でも暮らせるよう最大限の福祉サービスをしてくれよと負荷をかけ過ぎるのも如何なものかと利用者であり受益者であるオレ自身ですら思います。

そこを、利用者自身も気持ちよく福祉サービスを受けるためにもオレは些少でも勤労という形で社会貢献させていただきたいと考えているのです。できれば採用側にもそこんところをわかっていただきたいのですが、具体的にはなかなか表現しづらくてね…。

あと蛇足ながら、今のオレはバカだアホウだと言われつつも、とりあえずは一人暮らしの可能な部屋は手に入れました。

今後の生活の見通しとしては、前述したようにメシとシモの世話が必要になった段階でオレは素直に自ら施設に入ります。自分の年金収入と介護度のバランスに合わせてね。

そうならない限りの次の段階の夢としては、オレは中島らもの生き方とかも好きだったから、叶うならできれば自分で大きめのグループホームかシェアハウスみたいな場所を作ってみたいな。

今の時代なら、さながらセカオワハウスか?

オレの人間関係の基本スタンスである、来るもの拒まず去るもの追わずを維持しつつね。

オレの個人スペースはベッド一つでいい。何なら作業机も共用でかまわない。

オレは広いスペースを独占するより、できれば蔵書と私有する全ソフトを遺贈することを前提にした共用の図書室とシアタールームが欲しいのよ。

あと、できればスタジオ兼のオーディオルームとバーカウンターか?

映像と音楽と活字に埋もれられる環境で、誰かとソレをネタにお茶か酒でも飲みながら交流しつつ過ごしているうちに死ねればオレは本望なのかも…。

問題は、老若男女問わずそんな酔狂な輩が近くにいるかどうかなんだけど、そこはそれ、オレの心の不良ネットワークを駆使して地道にスカウトするしかないよね。

なんだ、お前の望むところの結局は、やすらぎの郷かよ…ってね? まったく我ながら陳腐な上に年寄りくせえ妄想だ…。

https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/c4550/


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