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古井雅
2018年6月17日 22:33
沈みゆく身を呆然と眺めていた。いつの日か感じた水泡の壁が今、僕の体を包み込み、永久を知らしめる死を感じさせるのだ。苦し紛れに放った声はいつも届かない。その声がどんなものであったかさえも僕にはわからない。ただがむしゃらに響かせる声は、何かを求めるものばかりだった。僕は死ぬのだろう。この海の底で眠っているということは、そういうことだ。自ら身を投げることで完結する人生ならば、少なくとも貴方