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家族のかたち〜下宿屋のおばちゃん?

私は4人家族です。夫と社会人の娘、大学生の息子、と私です。みんな自由人です。

夫とは知り合いの紹介で出会いました。堅苦しくないお見合いです。多くの人は知り合ったばかりの相手に良いところを見せようと、無理するものですが、夫はそういうところがない人でした。彼なりに気を遣ってくれていたとは思いますがいつもマイペースに見えました。郊外に住んでいた私は、自分の車を運転して彼に会いに行きます。彼は毎回、助手席にちょこんと乗り込み、ニコニコして「今日はどこ行くの〜?」と無邪気に聞いてきます。

バブル時代に大学生だった私が知っているのは、自分の車を自慢し、デートの段取りを考え、彼女ファーストでもてなしてくれる男性でした。でも、そんな彼等に、何か違和感を感じていました。私を大事にしてくれているのか、自分の理想のデートを追求しているだけなのか、相手の男性が何を考えているのか、読みきれずにモヤモヤする自分がいました。

ですから、今までにない正直な彼に新鮮な驚きと戸惑い、若干振り回されながら(夫も私を理解できず、振り回されていたそうですが)、嘘がなさそうでいいな〜と思ったのでした。

結婚後、彼のことがだんだん分かってきました。彼は自分ファーストの自由人でした。私とは趣味も行動も考え方も違うタイプなので、話し合いはどこまで行っても平行線。話題の接点があまりありません・・・。そして辿り着いたのは、交わらなくてもいい、接点が無くてもいい、彼も私も自分らしく機嫌よく共同生活が送れれば、それでいい。何か一緒に楽しめることが見つかったら、それを一緒にやろうということでした。

そう考えたら、この共同生活がどんどん楽しくなってきました。シェアハウスのような生活です。そして、そう教育したわけではありませんが、子どもたちもシェアハウスの住人のような子に育っていました。10歳を迎えた頃から、親を部屋に入れてくれません。本人の要望を尊重して、私も10年以上彼等の部屋には入ったことがありません。自分のことは自分で管理したいようです。

掃除はもちろん、大人になってからは洗濯もそれぞれ。シャワーも好きな時に勝手に入ります。湯船も入りたい人が自分で入れて、終わったら掃除して、次の人がすぐ使えるようにしておきます。

一昔前の言い方なら下宿屋です。私は下宿屋のおばちゃんです。共同スペースを整え、健康的で経済的な夕食を用意し、困りごとやお使い事に対応し、時には悩み相談も聞きます。土日は居酒屋を開き、お茶の時間に声をかけ、ゲーム大会や小旅行も企画します。

こんな家族の在り方が一般的かどうかはわからないけど、みんな機嫌よく、自由に自分らしく暮らしているので、いいのかなと思っています。


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