コーヒーミル・メリーゴーランド
わたしの家には、今どき珍しくなった、手動のコーヒーミルがある。
回る取っ手が差し込まれた銀色の受け皿と、引き出しがついた木製の土台からなるそれは、さほど大きくないのにずっしり重い。取っ手をまわすと、ごろごろがらがらと鈍い音がする。受け皿の中を覗くと、取っ手の根元は多角形の刃物状になっていて、受け皿の根元のすりこ木になった穴に収まっている。受け皿に出された豆は、取っ手が回されると、この部分ですり潰されて粉になり、穴を伝って土台の引き出しの中に落ちる。コーヒーを淹れるときには、こ